ネットフリックスで大ヒットしているドラマシリーズ『ストレンジャー・シングズ』の原作・制作を手がけたマット、ロス兄弟(ザ・ダファー・ブラザーズ)が、このサイエンス・フィクションシリーズでの女性に対する「言葉の暴力」で告発されている。告発者は、クルー・メンバーのペイトン・ブラウン氏である。彼女は、先日の国際女性デーを祝うソーシャルメディアでの投稿で、その不適切な言動に抗議して『ストレンジャー・シングズ』のシーズン3の制作に加わるつもりがないと主張した。
「私は現場で、権力をもった高いポジションにいる2人の男性が、複数の女性を追いかけたり、言葉の暴力をふるったのを目撃しました。」とブラウン氏は書いている。「私は、自分が発言できるような状況になれば、このことを告発しようと誓っていました。そして、今私は1万1500人の「TIME IS UP」というの聞いてくれるフォロワーがいます。」
ブラウン氏は、数時間後に投稿を削除したが、「エンターテイメント・トゥナイト」によってスクリーンショットは保存された。コメント欄でフォロワーが、「2人の男性」とはザ・ダファー・ブラザーズのことなのかと聞くと、ブラウン氏は「そうです」と返信し、続くコメントでは、彼らが現場でわめいたり、クルーのメンバーを侮辱し脅威を加えたことで、数人が仕事をやめるのを強いられたと主張している。*1
告発後、兄弟は「自分たちの現場で誰かが不快なことを感じたということを知り、深く動揺して」いて、「誰に対しても公平に扱ったと強く信じています」と述べた。Netflixは、事件に対して調査を行い、「ザ・ダファー・ブラザーズの現場においていかなる不正も発見しなかった」と述べた。以下、彼らの声明の全文である。
「私たちは自分たちの現場で、誰かが不快な思いをしたということに深く動揺しています。制作現場という強いストレスがかかる場所の性質のせいで、神経がすりへっており、それについては謝罪します。しかし、私たちは現場を間違って特徴付けないことが重要だと考えています。私たちは現場で、ジェンダーや志向、人種、宗教、またその他の事にかかわらず、誰に対しても公平に扱ったと強く信じています。私たちの現場では、誰にとっても安全に、協力して働く環境を提供するということを引き受けています。」
そしてネットフリックスは、
「私たちは木曜日にその主張を聞いた際に、提起された疑惑について調査しましたが、何も不正を発見しませんでした。現場において安全で尊重された環境を維持することは重要なこなことであり、それはダファー兄弟に関しても同じだと認識しています。」*2
しかし、具体的にどのような調査がなされたかということは明らかにされていない。*4
このようなストリーミング・サービスによる調査は、#MeToo、Times Up運動の影響の中、これまでも進められている。例えば複数のセクハラ被害の告発を受けて、同サービス配信の『ハウス・オブ・カード 野望の階段』で主演を務めたケヴィン・スペイシーや、『ザ・ランチ』におけるダニー・マスターソンを事実上解雇している。
『ストレンジャー・シングズ』は2019年以降にネットフリックスに戻ってくる。今年の春からシーズン3を撮影予定の本作は、複数のライセンス契約と5つのエネミー賞を受賞し、ネットフリックスにとってはグローバルに成功した現象になった。*3
*1
*2
http://www.indiewire.com/2018/03/duffer-brothers-verbal-abuse-accusation-stranger-things-1201938015/
*3
https://www.hollywoodreporter.com/news/duffer-brothers-respond-claims-abuse-by-crew-member-1093610
*4
https://io9.gizmodo.com/the-duffer-brothers-respond-to-claims-of-abuse-on-the-s-1823683764
村上 ジロー World News担当。国際基督教大学(ICU)在学中。文学や政治学などかじりつつ、主に歴史学を学んでいます。歴史は好きですが、(ちょっと)アプローチを変えて映画についても考えていきたいと思ってます。
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