世界貿易センター爆破事件の間、ニューヨークの消防士の歩みを追ったドキュメンタリー作品『9/11』(2002年)の作者であるジュールとゲデオンのノーデ兄弟が『11月13日(原題:November 13)』とともに戻ってくる。『11月13日』は3部構成のドキュメンタリーで、ノーデ兄弟は2015年11月13日に起こったパリ同時多発テロ事件の背後にある人間模様を探っている。一連の出来事の紹介に続いて、遺族、消防署、警察、そしてパリ市長のアンヌ・イダルゴや当時の大統領であるフランソワ・オランドを含む政治家など、約40人の証言が公開される。

「『たゆたえども沈まず(原語:Fluctuat nec mergitur)』というパリ市の標語を採択したこのドキュメンタリーは、 2001年9月11日に体験したことと結びついている。このような心理的外傷を経験すると、同時に人類の最悪なものと最高のものがわかる」とノーデ兄弟は語る。

「『11月13日』には調査もルポルタージュもない。私たちはできるだけ少ない画像を使用したいと考えている。扇情主義は拒否する」と強調する。ノーデ兄弟は2016年11月、悲劇の1年後に被害者団体と連絡を取った。「9.11で経験したことを私たちの視点から説明した。団体は私たちが参加者を見つけるのを助けてくれた。多くの会議が必要だった」彼らのほとんどはこれまで口を開いてこなかった人々だ。

「2015年11月13日の夜、フランス全土に衝撃が走った。誰もが心を動かされた。重要なのはそれを語ることだ。私たちがインタビューした人々には知恵と希望でいっぱいの言葉がある」と結ぶ。

Netflixで配信することに関しては「生存と希望というこれらの信じられない話を分かち合うことができることは偉大な特権であると感じている。これは私たちの心に非常に近いプロジェクトであり、それを生かすためにNetflixという適切なパートナーを見つけた」と語る。

Netflixの副社長であるErik Barmackは「ノーデ兄弟が犠牲者や最初の応答者の話にもたらした気配りや誠実さと同様に、映画制作の過程やストーリーテリングにも触発された」と話す。また、「これはNetflixの皆にとって重要なプロジェクトであり、これらの人々の心を打ち砕くような出来事を経験したすべての人の話を伝えるプラットフォームを提供できることを光栄に思っている」と語っている。

参考:
https://media.netflix.com/en/press-releases/celebrated-directors-jules-and-gedeon-naudet-partner-with-netflix-to-launch-their-new-documentary-series-november-13
http://www.lefigaro.fr/cinema/2018/03/09/03002-20180309ARTFIG00097-netflix-prepare-un-documentaire-inedit-sur-les-attentats-de-paris.php
http://www.vanityfair.fr/actualites/articles/bientot-un-documentaire-netflix-sur-les-attentats-de-paris/61242

兒玉奈々
World News担当。慶應仏文4年生。映画に出てくる女優さん、ダンスシーン、音楽が大好き。熱しやすく冷めやすいタイプで、ハマってるものがコロコロ変わる。


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