[447]クリスチャン・ムンギウの新作、1月公開


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2007年に「4ヶ月、3週と2日」でパルムドールを受賞したクリスチャン・ムンギウの最新作Bacalaureat(邦題「エリザのために」)の日本での公開が近づいています。
「『エリザのために』は、確かに納得のいく出来栄えで、機能障害を起こした社会の崩壊を完璧な描写で作り上げ、素晴らしい才能を示した。」という言葉と共に、 23th EUROPEAN FILM FESTIVALでは 監督賞を受賞し、第69回カンヌ映画祭の監督賞を始め、国際的な賞を多く受賞しています。

間もなく公開されるこの映画について、紹介します。

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(No Film Schoolより)

「エリザのために」は( 「4ヶ月、3週と2日」 と比べると)胸をえぐられることは少ないが、道徳的に入り組んでいる。あるルーマニアの女子高生が一番大切な最終試験の直前に強姦され、彼女のあまり良くはないテストのスコアはケンブリッジへの奨学金を危うくする。しかし彼女の父親、ロメオほど、取り乱した人はいない。彼は娘が、現代のルーマニアを悩ます頽廃の危険や貧困の無い、海外でより良い生活を送るためならなんでもする。ロメオは、娘の置かれた状況に対して官僚制度では分かり合えないことを知り、ファウスト的取引をする。

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(トロント国際映画祭の際のインタビューより)

■この映画を作るにあたりどのようなことから刺激を得たのでしょうか?

CM:私は子供たちの教育について、特に子供たちの人生の早い段階でどんな選択を(親として)すべきなのか、あまり答えられることはありません。もしあなたがまだ安定しきっていない国家に住んでいたとしたら、早期に子供たちに何の準備をさせるのか決めなければなりません。あなたは子供たちに 自分とは違う教育を、社会の中で生き残る準備をさせるのですか?子供たちに 自分とは違う教育を、 生活する準備をさせるのですか?私はこの答えに、主に私自身の子供達に、すごく気を使います。なぜなら私が今子供たちへの規範を定める方法と、私が何を子供たちに伝えるのかということが、子供たちの未来を決めることだと知っているからです。ですから、この映画は様々な場所から来ています。

■警察署や病院を含め、どんな場所でも汚職を描いたことにはどんなメッセージがあるのでしょうか?

CM:いつだってそうですが、私たちは全て、既に決められていた決断の結果です。これが私たちが常に口実も持っている理由です。本当は妥協していません、生き残る仕組みですという。社会がまだしっかりと組み立てられておらず、解決策を自分自身で見つける必要があったため、妥協をしたんだ、とあなたはいうでしょう。私がこの映画の中の社会階層について言いたいことというのは、人々が自分自身で変化しようとする前に、社会というのは変化を望んでいるものだということです。これらの場所でよく起こっていることは、子供達に旅をさせるように、人々がいつも個々で解決策を見つけることです。 しかし社会にとってそれは解決策ではありません。この社会は皆が離れていくだけでは変わりません。だから映画は、この結集した力をどのようにして作る必要があるのかを語ります。若い人に何かを変えるように求める前に、あなた自身が変化しなければなりません。鏡の中の自分を見つめ、真実を認めることです。

■この映画を見た人にどんなメッセ―ジを発信したいですか?

CM:まず最初に、これは局所現象ではありません。ルーマニアに限ったことではありません。思うに、これは人間性について、多くの社会についての映画です。この映画をもし観客として見たならば、これはあなたについての映画だとわかるでしょう。注意深ければ、ストーリーを追うことで自分自身について何か学ぶことでしょう。この映画で学べる最も大切なことは、もしあなたがあなた自身の何かをより良いものにしていきたいのであえば、時々鏡の自分自身を見つめ、誠実であれば良いということです。

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「エリザのために」は2017年1月28日より、全国で公開されます。
http://www.finefilms.co.jp/eliza/

KRISTIJAN MUNĐIU – PALIĆKI TORANJ ZA NAJBOLJU REŽIJU


http://nofilmschool.com/2016/10/graduation-cristian-mungiu-interview
TIFF Interview: Cristian Mungiu on “Graduation”

(本文)

高橋壮太
髙橋壮太 サラリーマンとして働きながら、自主制作映画を作っています。知り合いの劇団の公演で流れていたART-SCHOOLの「あと10秒で」をようやく手に入れ、最近ひたすら聞いています。


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