23年振りの新作を発表したホドロフスキー、次回作はアクション映画『フアン・ソロ』!
1970年代に発表した『エル・トポ』、『ホーリー・マウンテン』で一世を風靡し、“カルト的映画の開祖”とされ今や世界中に熱狂的ファンを持つ85歳のチリ映画監督、アレハンドロ・ホドロフスキー。ホドロフスキーによって企画されるも、撮影を前に頓挫した『DUNE』についてのドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』(フランク・パヴィッチ監督、*1)が今年6月に公開され、その壮大さと無邪気さに観客は爆笑、涙した。そして、このドキュメンタリー映画をきっかけに35年振りに再会したプロデューサーのミシェル・セドゥと、再びタッグを組み完成させた新作『リアリティのダンス』(*2)も先週公開され、日本の“ホドラー”たちをまたしても熱狂させた。そんなホドロフスキーの次回作『フアン・ソロ』についてのトークショーが今週14日アップリンクで行われ(*3)、早くも話題となっている。
原作となる漫画『フアン・ソロ』は、フランスではバンド・デシネの老舗出版社ユマノイド(*4)から既に発刊されている作品。ベルギー、フランスを中心とした地域の漫画のことを指す“バンド・デシネ”は、漫画が「9番目の芸術」として批評・研究対象となっているフランス語圏を中心に派生し、その高い芸術性で宮崎駿や大友克洋、浦沢直樹らにも多大な影響を与えたことで知られている。映画『フアン・ソロ』は尻尾を持って生まれた男の数奇な物語。現在フランス・メキシコ・日本の合作として国際共同製作の準備中であり、メキシコ撮影が決定。血と暴力と権力を描いたバイオレンス作品を予定している(*トークイベントより)。
映画『リアリティのダンス』で、生まれ故郷チリの田舎町を舞台に若き日の自分と両親との関係を描いたホドロフスキーは、今年4月の来日時「『リアリティのダンス』は非常に個人的な物語になった。今回は自分の人生を語ろうと思ったのだ。だからこそ、次回はパーソナルではないアクション映画を作りたい」と『フアン・ソロ』への意気込みを力説(*5)。さらには「『フアン・ソロ』は人間が生き残るための本能を描くアンチ・ヒーローの映画になる」とも発言し、「観客が今までみたことのない“何か”や希望を発見し、一緒に映画館を出てくる、そういう生きる感情が湧いてくる映画を作り続けたい」と、強い意欲を見せていたそうだ。85歳とは思えぬ製作意欲とパワー溢れるアレハンドロ・ホドロフスキーに、これからも我々は度肝を抜かれ続けることだろう。
(記事・内山ありさ)
*1 映画『ホドロフスキーのDUNE』
http://www.uplink.co.jp/dune/
*2 映画『リアリティのダンス』
http://www.uplink.co.jp/dance/
*3 映画『リアリティのダンス』上映&トーク:【ゲスト】原正人、浅井隆—ホドロフスキーの次回作『フアン・ソロ』を語る!
http://www.uplink.co.jp/event/2014/29446
*4 ユマノイド
http://www.humanoids.jp/
*5 CDJournal
http://www.cdjournal.com/ma…/news/alexandro-jodorowsky/58737


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