みなさんは昔、2015年がどのような未来になっていると想像していましたか?テレビ電話?空飛ぶ車?『Jaws 19』が3Dで公開されている?それとも、ホバーボード?

そんなことを考えたあなたは、マーティ・マクフライとともに時空を超えた冒険をしたことがあるはずです。そう、2015年は『バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)PART2』でマーティが訪れた未来であり、一作目の公開30周年となる、記念すべき年なのです。本日のWorld Newsでは、シリーズ初のドキュメンタリー映画と、London Film and Comic Conでのキャストトークショーについてレポートします。

このアニバーサリーイヤーに、一本のドキュメンタリー映画がアメリカで公開されます。タイトルは、『Back In Time』。公開日はもちろん、作品の中でマーティが訪れた10月21日です。カリフォルニア州で行われる記念イベント、“We’re Going Back”で初上映されます。

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この作品、実はクラウドファンディングで製作資金が集められたインディペンデント映画なのです。スポーツのドキュメンタリーや、CM製作でキャリアをつんできた監督のジェイソン・アーロンは、ある時、ショートフィルムの撮影で使用したデロリアン(劇中でタイムマシンとして使われた車)に人だかりができるのを見て、BTTFシリーズがいかに社会現象を巻き起こしたかを再確認し、ドキュメンタリーの製作を決意しました。#1

2013年、彼はまず、製作費を集めるためKickstarterにて出資者を募りました。その結果、わずか数日間で目標の4万5000ドル(約560万円)を達成。その後、俳優のアダム・ゴールドバーグをプロデューサーにむかえ、プロジェクトは本格的に始動します。多くのファンがボランティアに駆けつけ製作に参加する中、オリジナルキャストやスタッフもこのプロジェクトにインタビューというかたちで参加することが決まり、主演のマイケル・J・フォックス、ドク役のクリストファー・ロイドをはじめとする出演者や、作曲家のアラン・シルベストリ、脚本のボブ・ゲイル、監督のロバート・ゼメキスへのインタビューがおこなわれました。#2

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製作が進む中、口コミやメディアを通して作品の知名度が上がるにつれてファンの期待も高まり、規模の拡大が決定され、ふたたび今年3月から出資者が募られました。そして、14万3000ドル(約1800万円)の資金を得て、現在、作品は順調にポストプロダクションに入っています。#3

製作の中で、アーロン監督は自分のヒーローであるBTTFキャストに会うチャンスにめぐまれました。そして、彼らがとても謙虚で、素晴らしい人々だと実感したと言います。

「マイケルのインタビューが実現した日、私はこのドキュメンタリーの成功を確信しました。しかし、同時に、自分がそんな偉大な俳優と同じ部屋にいるのを忘れてしまうくらい、マイケルはとても現実的でかざらない人だったんだ。」#4

また、プロデューサーの一人、リー・レシェンは、クリストファー・ロイドとのインタビューをこのように振り返ります。

「彼は、ハリウッドスターというより…クリストファー・ロイド彼自身だった。彼のような俳優は他にはいない。自然体でありながら、同時に、彼は、ドク・ブラウンであり、ドゥーム検事(『ロジャー・ラビット』)であり…彼のこれまで演じてきたキャラクターそのものだった。彼は、7歳の僕の頭でもわかるようにタイムトラベルの仕組みを教えてくれた人、そのものだったんだ。彼が、インタビューのセットに現れてあの忘れがたい特徴的な声で言葉をかけてくれたとき、『本物のドクだ。現実なんだ。これこそが僕が今ここにいる理由だ』、と実感したよ。インタビューの後、彼は親切にもプロジェクトに融資してくれた。最初から最後まで、とても上品なひとだった。」#5

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作品は、こうしたキャストやスタッフへのインタビューだけでなく、ファンにフォーカスした内容や、イベントレポートも含めた充実したものになる予定です。監督は、作品についてこのようにコメントしています。

「私は、BTTFシリーズへの世界中のファンの愛情を実感しています。ファンは、続編が作られることはないと理解しているけど、彼らはまだこの三部作からのコンテンツに飢えているんだ。この作品は、このシリーズについての最も包括的なドキュメンタリーになるでしょう。私たちは多くの人々にこの作品を楽しんでもらいたい。また、ファンには、このキャンペーンをぜひこれからも支持し続けてもらいたいです。映画というのは、たとえ私たち製作陣がゴールに届いたと思っていても、さらにその後、より良いものになっていくことがありえるからです。」#6

先日おこなわれたLondon Film and Comic Conでは、BTTFキャストが集まり、トークショーがおこなわれ、約2000人のファンを熱狂させました。

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ファンからの「どうしてBTTFのキャラクターはこんなにも愛されるのか」という質問に対してフォックスは、こう答えました。

「これは監督のロバート・ゼメキスと脚本のボブ・ゲイルの仕業だよ。彼らは、本当に興味深いキャラクターをつくった。ドクに関しては、彼が物語のすべての解説をしているということが魅力だね。それは同時に、物語を動かしているんだ。マーティの魅力は、好奇心だと思う。彼は、オーディエンスが映画の中で起こっていることを体験して、彼らの感情を反映するための記号なんだ。僕は、脚本家のボブがつくったリズムにのっていただけだから、僕が自分なりになにかしたかどうかはわからない。マーティはどこにでもいる普通の男であり、子供だった。彼は、スクリーンの中で起こっていることに対するみんなの反応を代表しているんだ。」#7

ファンからの「なぜドクはずっと人々を魅了するのか」という質問に対してロイドは、このような見解をのべました。

「誰でも、時間旅行を夢見ます… 私は、この映画がそれをとてもうまく使ったのだと思います。そして、そこにあるマーティとドクの関係がより物語を魅力的にしたのでしょう。この関係をうまく定義することはできませんが…ドクは私たちの世界を見る目を、未来への展望を、少しひらいたのでしょう。二人の関係は、古典的な師と若者の関係と言えるかもしれません。」#8

イベントの最後に、フォックスはファンにメッセージをおくりました。

「ここでは、みんな喜んで他人やキャラクターの格好をして、クレイジーなものを身にまとっているね。君たちほど、素晴らしい人たちはいないよ。僕は今日、ありのままの自分でいることが好きで、こうやって集まることが好きで、心から楽しいと思えることをするのが好きな、自分に正直でオープンな人たちにたくさん出会えた。もし君たちが変わり者だっていうなら、マーティがそうだったってことさ。」#9

30年という時をこえて愛されつづけるBTTFシリーズ。日本でも、さまざまなイベントが開催されることでしょう。『Back In Time』の日本公開にも期待が高まります。あなたも、このアニバーサリーイヤーにぜひ参加してみてください。

Back In Time official HP 画像2,3

http://backintimefilm.com

#1

http://www.agentsofgeek.com/2015/07/sdcc-interview-with-jason-aron-for-back-in-time/

#2

http://www.comicsbeat.com/back-in-time-a-back-to-the-future-celebration/

#3

http://www.slashfilm.com/back-to-the-future-documentary-best-moments

#4,5

http://www.slashfilm.com/back-to-the-future-documentary-best-moments

#6

http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/crowdfunded-doc-back-time-brings-781240

#7,8

http://www.digitalspy.co.uk/movies/news/a658951/michael-j-fox-christopher-lloyd-lea-thompsons-back-to-the-future-cast-reunion-was-heartwarming.html#~pj1ilPzuVtl7er

#9

http://www.aintitcool.com/node/72416

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http://www.slashfilm.com/back-to-the-future-documentary-best-moments

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https://www.facebook.com/BackInTimeFilm/timeline

北島さつき World News担当。早稲田大学卒業後、現在は英国、レスター大学の修士課程 Film and Film Cultures MAにて世界各国の映画作品、産業、文化について勉強中。


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