マーベル作品について「見下げはてた」作品であるとコメントし、物議を醸したフランシス・フォード・コッポラは、自身の発言について、誤って伝わったものであり、直接マーベルを批判したものではなく、芸術作品よりも商業作品を優先する業界全体に向けられたものであった、とDeadlineのインタビューで語った。同インタビューでは、実際のコメントが紹介されている。「製作上のリスク回避のためだ。マーティ・スコセッシがマーベル作品は映画ではないと言ったのは。彼は正しい。なぜなら、我々は映画から何かを学ぶこと、悟りのようなものや知識やインスピレーションを得ることを期待しているからだ。議論の余地はあるが、同じ映画を何度も繰り返し見ることで、何かを得ることができるとは思わないが、それがマーベル作品だ。そこには何のリスクもない。前も言ったように、リスクなしに映画を製作することは、性交渉なしに子供を作るようなものだ。それが作品を面白くする要素であり、だからこそ、完成作から多くを学ぶことができるのだ」 [1]

 元となったスコセッシのマーベル作品に対する発言は、先月初め、「マーベル作品を見たことはあるか?」という質問を受け、「見ようとはしたんだ」「でもあれは映画じゃない」と答えたことに始まる。スコセッシはこの発言に続き、以下のように続けた。「正直に言って、作られ方や、決められた環境下で俳優たちが精いっぱい自分の仕事をこなすところも含めて、一番近いとしたら、テーマパークだね」。[2]

 コッポラの発言を受け、ジェームズ・ガンは自身のインスタグラムで、「私たちの祖父世代の多くはギャング映画を同じように言っていた。時には『見下げはてた』という言葉を使って。曾祖父世代の一部は、西部劇を同じように言っていたし、ジョン・フォードやサム・ペキンパー、セルジオ・レオーネの作品も全く同じだと信じていた」と反論するなど、スコセッシ発言に端を発するマーベル作品批判に対しては、多くの反発が起きていた。[3]

 

[1]

https://www.indiewire.com/2019/10/francis-ford-coppola-clarifies-marvel-despicable-1202185861/amp/?__twitter_impression=true

[2]

https://www.theguardian.com/film/2019/oct/04/martin-scorsese-says-marvel-movies-are-not-cinema

[3]

https://deadline.com/2019/10/james-gunn-marvel-francis-ford-coppola-martin-scorsese-guardians-of-the-galaxy-1202764709/

 

画像『ゴッドファーザー』(IMDbより):https://www.imdb.com/title/tt0068646/

 

 

 

 

佐藤更紗

国際基督教大学卒。映像業界を経て、現在はIT業界勤務。目下の目標は、「映画を観に外へ出る」。


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