10月、YouTubeは無料で長編映画の配信を始めた。約100本のハリウッド映画の中には、『ロッキー』(Rocky)や『キューティ・ブロンド』(Legally Blonde)、『ターミネーター』(The Terminator)などもある。

もともと、YouTubeにはYouTube ムービー(#1)で映画と番組を有料で配信するApple iTunesやAmazon Primeのような機能があったが、広告入りの無料配信は行っていなかった。広告の頻度は、107分の長編映画に9回程度である。

YouTubeのプロダクトマネジメント担当ディレクターであるRohit Dhawan氏は、この新機能は広告主へも素晴らしい機会を提供すると語る。月間アクティブユーザー数が19億人と精度の高いターゲティングは広告主にとって魅力的だ。Dhawan氏はスタジオに関するYouTubeの取引条件や、広告収入の分割については言及していない。

ウェブやモバイル機器、スマートテレビで無料で映画とテレビ番組を提供しているTubi TV(#2)のような企業では、広告からの収益をベースにするビデオオンデマンド市場が熱い。 また、ウォルマートが所有する広告付きテレビや映画アプリであるVudu(#3)もある。 そして、Amazonも広告付きのビデオオンデマンドアプリ開発中という噂だ。TubiのCEO、Farhad Massoudi氏は「広告付きのビデオオンデマンドは巨大な市場である。」と述べている。

YouTubeは独自のプログラム作成に投資してきた。広告からの収益を得ている無料コンテンツもあれば、有料会員向けの広告がないコンテンツもある。例えば、ウィル・スミスの『THe Jump』は、すべてのYouTube視聴者に配信されているが、広告が入っている。一方、『ベスト・キッド』(The Karate Kid)に基づいたヒット番組『Cobra Kai』はYouTube独占配信で、月額料金10ドルを払っている視聴者のみに公開されている。

YouTubeは、不正なコンテンツに広告を配信したくない広告主に、よりプレミアムなコンテンツを提供する必要がある。Googleは、ハリウッド映画のようなコンテンツを導入することにより、安全な広告枠を整えたいのである。

また、最近ではスマートTVで、YouTubeを視聴している人が増えている。YouTubeの統計によると、コンテンツの20%はテレビで視聴されていることがわかった。YouTubeはTVで視聴しているユーザーのみへ広告を配信するサービスも始めた。

年間アクティブユーザー数19億人を誇るYouTubeが乗り出した無料映画配信サービスの拡大に、注目が集まる。
#1 YouTube ムービー                             YouTubehttps://www.youtube.com/movies?gl=JP&hl=ja
#2 Tubi TV
https://tubitv.com
#3 VUDU
https://www.vudu.com

参考記事:
https://adage.com/article/digital/youtube-starts-showing-free-hollywood-movies-ad-breaks/315631/

YouTube Is Now Showing Movies Like ‘Terminator’ for Free — With Ads, Of Course


https://www.theverge.com/2018/11/17/18099933/youtube-ad-supported-feature-films-free-the-terminator-legally-blonde-rocky-movies

兒玉奈々
World News担当。映画に出てくる女優さん、ダンスシーン、音楽が大好きです。


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