7月に、国際交流基金アジアセンターと公益財団法人ユニジャパンの共催による、映画『サタンジャワ』の一日限りの特別公演<響きあうアジア2019>「『サタンジャワ』サイレント映画 + 立体音響コンサート」が行われます。これに先立ち、6月21日(金)、アテネ・フランセ文化センターにて「インドネシア&タイ 映画におけるフォークロアとファンタジー」と題したプレイベントが開催されます。
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の長編第一作『真昼の不思議な物体』とガリン・ヌグロホ監督の初期作品『天使への手紙』の上映のほか、森永泰弘氏(「『サタンジャワ』サイレント映画 + 立体音響コンサート」音楽・音響デザイン)と金子遊氏(映像作家、批評家)が進行中の音楽制作のプロセスやガリン・ヌグロホ監督の作品世界について語るトークショーが行われる、イベントの概要を紹介します。

【日時】 2019年6月21日(金)16時30分~21時(開場16時)
【会場】 アテネ・フランセ文化センター(東京都千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4F)
【上映】 16時30分~『真昼の不思議な物体』(監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン/タイ/2000年/83分)
18時30分~ 『天使への手紙』(監督:ガリン・ヌグロホ/インドネシア/1993年/118分)
【トークショー】 20時30分~21時
      ゲスト:森永泰弘(「『サタンジャワ』サイレント映画 + 立体音響コンサート」音楽・音響デザイン)、金子遊(映像作家、批評家)
【入場料】 無料 (予約不要)
【言語】 上映:インドネシア語・タイ語(日本語・英語字幕つき)トーク:日本語
【主催】  国際交流基金アジアセンター
【Webサイト】 https://jfac.jp/culture/events/e-asia2019-setan-jawa-pre-event/

■上映作品について
『真昼の不思議な物体』
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン/タイ/2000年/モノクロ/35mm/83分/フィルム提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭
撮影クルーはタイ北部から南下しながら、出会った地元の人々にそれぞれの言葉で「足の悪い少年と家庭教師の話」という物語を次々と語らせ、演じさせてゆく。山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション優秀賞・NETPAC特別賞ほかを受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の長編第1作。

『天使への手紙』
監督:ガリン・ヌグロホ/インドネシア/1993年/カラー/35mm/118分
スンバ島の古い習慣が残る村に住む少年ルワは、悩み事があると天使に手紙を書き、返事を受け取る。やがて他の村との争いが勃発する。ドキュメンタリー・タッチの力強い映像が評価され、第7回東京国際映画祭ヤングシネマ部門ゴールド賞受賞をはじめ、多くの映画祭で世界的名声を確立したガリン・ヌグロホ監督の長編第2作。

■ゲストについて

森永泰弘 (C)Takashi Aria

森永 泰弘 
「『サタンジャワ』サイレント映画 + 立体音響コンサート」音楽・音響デザイン。東京藝術⼤学⼤学院を経て渡仏。帰国後は芸術・⾳楽⼈類学的な視座から世界各地をフィールドワークし、楽器や歌の初源、儀礼や祭祀のサウンドスケープ、都市や集落の環境⾳をフィールドレコーティングして⾳源や作品を発表している。また、映画・舞台芸術・展⽰作品等のサウンドデザインや⾳楽ディレクションを中⼼に、企業やアーティストとコラボレーションを⾏うconcrete を設⽴し、国内外で活動している。これまで世界三⼤映画祭(カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭)で⾃⾝が関わった作品等が発表されている。
www.the-concrete.org

金子 遊
批評家・映像作家。多摩美術大学准教授。『映像の境域』(森話社)でサントリー学芸賞<芸術・文学部門>。他の著書に『辺境のフォークロア』(河出書房新社)、『混血列島論』(フィルムアート社)、『ドキュメンタリー映画術』(論創社)など。編著に『クリス・マルケル』(森話社)、『アピチャッポン・ウィーラセタクン』(フィルムアート社)、『映画で旅するイスラーム』(論創社)ほか。平成28 (2016) 年度国際交流基金アジア・フェローシップにより、タイとカンボジアにおける調査を行なった。

関連イベント
■<響きあうアジア2019>「『サタンジャワ』サイレント映画 + 立体音響コンサート」

ガリン・ヌグロホ×森永泰弘×コムアイ
モノクロの神秘世界に漂うジャワ島のサタンが、立体音響のなかで浮かび上がる

2019年7月2日(火)14:00開演/19:00開演(2回公演)
会場:有楽町朝日ホール
主催:国際交流基金アジアセンター/共催:公益財団法人ユニジャパン
後援:駐日インドネシア大使館
[料金]前売:3,000円/当日:3,500円/25歳以下:2,000円(当日要証明書)
チケット発売中 取扱い:チケットぴあ、e+(イープラス)、Peatix(ピーティックス)
[Webサイト]https://jfac.jp/culture/events/e-asia2019-setan-jawa/

<響きあうアジア2019>「東南アジア映画の巨匠たち」
7月3日(水)シンポジウム (東京芸術劇場ギャラリー1)
7月4日(木)~10日(水)映画上映 (有楽町スバル座)                 
『サタンジャワ』のガリン・ヌグロホ監督をはじめ、東南アジア映画界を牽引し、世界的に活躍する巨匠が一同に会する貴重な特集上映&シンポジウムを実施。
上映作品、スケジュール、チケット情報詳細は2019年5月29日「響きあうアジア2019」公式サイトにて発表。

世界映画紀行 東南アジア編
主催・会場:川崎市市民ミュージアム 協力:国際交流基金アジアセンター
●6月22日(土)23日(月)
『一切れのパンの愛』(監督:ガリン・ヌグロホ/1991年/インドネシア/カラー/100分/35mm)
『悪夢の香り』(監督:キドラット・タヒミック/1977年/フィリピン/カラー/95分/16mm)
●8月24日(土)25日(月)
『光りの墓』(監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン/2015年/タイ他/カラー/122分/DCP)
『シアター・プノンペン』(監督:ソト・クォーリーカー/2014年/カンボジア/カラー/105分/DCP)

■<響きあうアジア2019>について 
「響きあうアジア2019」は、設立5年を迎える国際交流基金アジアセンターが、日本と東南アジアの文化交流事業を幅広く紹介する祭典で、主に2019年6月から7月にかけて開催する。国を超え共に創り上げた舞台芸術や映画から、東南アジア選手による混成サッカーチーム「ASIAN ELEVEN」と日本チームとの国際親善試合、“日本語パートナーズ”のシンポジウムまで、お互いの文化が刺激しあって生まれたイベントで構成される。国際交流基金アジアセンターがこれまで5年にわたり行ってきた相互交流の成果を振り返るとともに、日本と東南アジアとの関係をさらに深めるための起点となることが期待される。なお、「響きあうアジア2019」は、同年に東南アジアでも展開予定。
公式サイト:https://asia2019.jfac.jp

吉田晴妃
四国生まれ東京育ち。大学は卒業したけれど英語と映画は勉強中。映画を観ているときの、未知の場所に行ったような感じが好きです。