[522]資金難乗り越え、アブデラティフ・ケシシュ監督作品がヴェネチア国際映画祭出品


 フランスのセット、モンペリエ、アグドで上映されたアブデラティフ・ケシシュ監督作品『Mektoub, My Love: Canto Uno』が第74回ヴェネチア国際映画祭(会期:2017年8月30 日〜9月9日)に出品されることが決まった。  

 この作品は2016年9月から2017年1月にかけてオクシタニー地域圏で撮影され、多くの地元スタッフが協力した。また、CNC(フランス国立映画センター)のパートナーであるオクシタニー地域圏、オクシタニー映画委員会、そしてセット地域から助成金を得た。(#1)しかし、ポストプロダクションの途中に銀行の融資が打ち切られ、一時制作が困難な状況に陥った。予定通り製作を行う資金を調達するために、監督がパルムドールのトロフィーと『アデル、ブルーは熱い色』に登場した油絵をオークションで売却したことが話題となった。(♯2)  

 『Mektoub, My Love: Canto Uno』はフランス・テレビジョンとの契約の問題により、カンヌ国際映画祭に選ばれることはなかったが、今回は機会を逃さなかった。(♯3)この作品はフランスの作家・評論家フランソワ・ベゴドー『La Blessure, la vraie』を原作に、地中海にある故郷で夏の休暇を過ごす若き脚本家の姿が描かれる。脚本家はジャスミンと恋に落ちるが、同時に彼の映画制作を援助するというプロデューサーの女に好意を持たれてしまい、ジャスミンかキャリアかを選択しなければならないという物語である。(♯4)  

 ヴェネチア国際映画祭には、フランスからアブデラティフ・ケシシュ監督作品『Mektoub, My Love: Canto Uno』の他に、二人の監督作品がコンペティション部門へ出品される。一つは、家庭内暴力を描いたグザヴィエ・ルグラン監督の初監督長編作品『Custody(原題:Jusqu’à la garde)』である。もう一つは、マルセイユの入江で撮影されたロベール・ゲディギャン監督作品『The House by the Sea(原題:La Villa)』である。(#5)

 また、中国の現代アーティストであるアイ・ウェイウェイの初監督作品『Human Flow』もコンペティション部門に選出された。この作品は23カ国における難民危機を題材としたドキュメンタリーである。アイ・ウェイウェイは現在ベルリンを中心に活動しており、Chin-chin YapとHeino Deckertとともに映画制作している。AC Filmsのアンディー・コーエン、Participant Mediaのジェフリー・スコールとダイアン・ウェイヤーマンがエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。(#6)

 なお、日本からは是枝裕和監督作品『三度目の殺人』がコンペティション部門へ、スティーブン・ノムラ・シブル監督作品『Ryuichi Sakamoto: CODA』がアウト・オブ・コンペティション部門へ出品されることが決まった。五十嵐耕平とダミアン・マニヴェルの共同監督作品『泳ぎすぎた夜』はオリゾンティ・コンペティション部門へ出品される。また、北野武監督作品『アウトレイジ 最終章』がクロージング作品に選出された。(#7)

 

#1

http://languedoc-roussillon-cinema.fr/content/abdellatif-kéchiche-à-la-mostra-de-venise-2017

#2

‘‘Mektoub, my love’’ d’Abdellatif Kechiche au festival de Venise

#3

http://www.proximustv.be/fr/info/article/1782094/abdellatif-kechiche-est-en-lice-pour-le-lion-d-or-a-venise

#4

http://www.imdb.com/title/tt6121444/plotsummary?ref_=tt_ov_pl

#5

http://www.lefigaro.fr/cinema/2017/07/27/03002-20170727ARTFIG00315-clooney-del-toro-kechiche-et-guediguian-en-competition-a-la-mostra.php

#6

Ai Weiwei Refugee Crisis Film To Be Screened at Venice Film Festival

#7

Venice Film Festival Sets Lido Launch For Aronofsky, Clooney, Del Toro, Payne & More As Awards Buzz Begins – Full List

 

兒玉奈々 World News担当。慶應仏文4年生。映画に出てくる女優さん、ダンスシーン、音楽が大好きです。熱しやすく冷めやすいタイプなので、ハマってるものがコロコロ変わります。最近のブームは現代アートと宇多田ヒカルです。


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