6月11日からアメリカで開催されているロサンゼルス映画祭は、今年で20周年を迎える。米国内においては上映作品のセレクションに定評がある映画祭で、毎年8万人以上の参加者と、世界初公開を含めた100以上の作品を数えている。これまで日本映画でも、行定勲監督の『パレード』、三池崇史監督の『悪の教典』、中村義洋監督の『ゴールデンスランバー』などが上映された。アメリカで開かれる中でも知名度の高い映画祭であり、毎年世界各国から良質な作品が集まっている。(*1)

映画祭には長編部門だけではなく、さまざまな部門が存在する。たとえば、高校生を対象とした短編映画部門や、10分以下の作品を対象としたミュージックビデオ部門。また劇映画やドキュメンタリーなど5部門で、観客によって選ばれる「観客賞」が制定されている。セミナーや野外イベントなども充実しており、誰もが楽しめる映画の祭典であると言えるだろう。

映画祭は、「Film Independent」によって提供されている。Film Independentは、独立プロによる映画や、多様性や革新性を生み出す芸術家を支援する非営利芸術団体で、年間250以上の上映やイベントで、映画における創造性を支援している。この団体には、映画に熱意を持つ人なら誰でもメンバーになることが可能となる。私たちが映画に主体的に関わる、その絶好の機会であるかもしれない。(*2)

日本に関連した話題で言えば、日米合作映画『リノから来た男』(原題:Man from Reno)がコンペティション部門に出品されている。藤谷文子と北村一輝、また米俳優のペペ・セルナが主演であり、『ホワイト・オン・ライス』のデイブ・ボイルが監督を務めた本作。「英語圏、日本語圏から集まったスタッフたちが見事にそのハーモニーを奏でることができた」と藤谷は語っており、多様性が売りの本映画祭ではどのように評価されるのか、興味は尽きないところだ。(*3)

映画祭は19日まで開催される。審査員大賞の行方ももちろんではあるが、観客賞や話題になったミュージックビデオの情報なども、多様性を知る上でぜひチェックをしておきたい。

若林良

(*1)
http://www.galacollection.com/?pid=20848630
(*2)
http://www.filmindependent.org/press/press-releases/film-independent-announces-jurors-for-2014-los-angeles-film-festival/
(*3)
http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd&id=20140509-00000001-flix


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