本日のWorld Newsは、長編デビュー作『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』(A Girl Walks Home Alone at Night)の日本公開が決定し、現在、Indie Tokyoでも大プッシュ中のアナ・リリ・アミリプールの次回作『The Bad Batch』の情報をいち早くお伝えします!

ゴッサム・アワードでブレイクスルー映画監督賞に選ばれるなど、数々の映画祭で好評を博した期待の新人、アミリプール。そんな彼女が現在製作中の、長編第二目『The Bad Batch』は早くも注目を集めています。まず特筆すべきは、ミーガン・エリソン率いるAnnapurna Picturesが製作に参加していることです。『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)、『her/世界でひとつの彼女』(2013)、『アメリカン・ハッスル』(2013)など、芸術的に質の高い作品を、興行的にも成功させた実績のあるプロダクションがついたことは、アミリプールのデビュー作がいかに素晴らしいものであったかを物語るとともに、彼女への期待度の高さがうかがえます。#1

キャストには、キアヌ・リーヴス、ジム・キャリー、ディエゴ・ルナ、そして『ゲーム・オブ・スローンズ』のスター、ジェイソン・モモア、イギリスの人気モデル、スキ·ウォーターハウスという豪華な顔ぶれがならんでいます。撮影は、この4月からロサンジェルスで開始されたようです。#2

BadBatchCast

肝心のストーリーは、カニバリズムのコミュニティでのラブストーリーというアミリプールらしい挑戦的な内容です。彼女は作品について、以下のようにコメントしています。

「未来の暗黒郷を舞台にしたこの作品は、非常にひねくれていて、変わっていて、革新的なものになる予定よ。テキサスの砂漠の荒地で、食人主義の村人の一人が、「食べ物をもてあそんではならない」という重大な規則を破り、物語が展開する。『The Bad Batch』は、『マドマックス2』のようにサイケデリックで、『エル・トポ』と『ワイルド・アット・ハート』にインスピレーションを得た、野蛮なラブスストーリーと言えるわ。作品では、大胆な色調と、80年代、90年代のスタイルにあふれたショットと、テクノとウェスタンがミックスされたサウンドトラックを使う予定よ。」#3

ウェスタンという点は共通していますが、本作は言語が英語である点、全編カラーである点がデビュー作と異なっています。また、トークショーでの、ロジャー・コーマンからの「バンパイアリズムとカニバリズムに繋がりは見いだせるか」という質問には、「バンパイアもカニバルもあなたから全てを奪う存在。しかし、状況によっては、あなたが奪われるのではなく与えることもできる。バンパイアリズムとカニバリズムはパラレルであることは確か。そして何より、セクシーよ」と答えています。コーマンが指摘する通り、視点を変えてものごとを見ることで、彼女は新しいジャンルを作ろうとしているのかもしれません。#4

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新世代の映画作家、アミリプールの今後の活躍からは目が離せません。『The Bad Batch』は、来年のカンヌ映画祭での上映を目標に製作されています。お見逃しなく!

参照

#1

http://blogs.indiewire.com/theplaylist/keanu-reeves-jim-carrey-jason-momoa-join-ana-lily-amirpours-cannibal-love-story-the-bad-batch-20150319

#2, 掲載画像1

http://www.comingsoon.net/movies/news/421283-jim-carrey-and-keanu-reeves-join-the-bad-batch

#3

http://www.bbook.com/keanu-reeves-ana-lily-amirpour-the-bad-batch/

#4, 掲載画像2

北島さつき World News担当。早稲田大学卒業後、現在は英国、レスター大学の修士課程 Film and Film Cultures MAにて世界各国の映画作品、産業、文化について勉強中。


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