自己啓発団体「ネクセウム」への多額の献金を繰り返し、団体の支持者として知られる、クレア・ブロンフマンは金銭的利益のために不法入国者を隠匿してかくまっていたこと、身分証明書の不正使用を共謀したことを認め、懲役6年9ヶ月を言い渡された。

ブロンフマンは団体の創始者ラニエールに資金を提供していた。ネクセウムに1億ドル以上を費やし、ニューヨークとLAの不動産を購入し、22人乗りのプライベートジェットも購入したと検察は述べた。

ネクセウムの教義に挑戦した個人に対して脅迫、また復讐の手段として彼女の巨額の富を利用したと裁判官は法廷で伝えた。

ブロンフマンの弁護団は、ラニエールとネクセウムのサブグループDOS(最も不穏な性的告発に関与していた)には直接関与していないと主張して、彼女の刑期についての寛大さを求めた。

“The Vow” とはHBOにより制作されたドキュメンタリーシリーズで、2019年に恐喝、強制労働、性的搾取。児童ポルノ所持により有罪判決を受けたキース・ラニエールと、彼が率いる教団ネウセウムがどのように数々の女性を勧誘し「奴隷」として働かせたのか真相に迫る内容となっている。

(オーストラリアで公開されているエピソード第4話までの内容を元に記載)

当時ラニエールと交際していたビジネスウーマンでネクセウムの幹部でもあるバーバラ・ブーシェイ氏(2009年に退団)が主導しカナダ、バンクーバーの映画やテレビのコミュニティへ進出をした。

ブーシェイ氏が最初にターゲットにしたのはマーク・ビセンテ監督だ。彼はドキュメンタリー『What the #$$*! Do We (K) now!』を制作して人生の意義を探求しており、作品に共感した団体は彼の制作活動に無償の支援を提案した。

一方で、 ブーシェイ氏によると、マークはバンクーバーを拠点に活動するカナダ人女優のサラ・エドモンソンを勧誘したり、『宇宙空母ギャラクティカ』(グレイス・パークやニッキ・クラインも勧誘された)や『ヤング・スーパーマン』のような地元で撮影された作品への扉を開いたという。

『ヤング・スーパーマン』で若きクラーク・ケントに恋心を抱く友人クロエ・サリバンを演じた俳優アリソン・マックに物語の中心人物として焦点があたる、

1982年にドイツのプレッツでアメリカ人の両親のもとに生まれ、父親はオペラ歌手として活躍していた。2年後、家族は南カリフォルニアに移り住み、4歳の時にコマーシャルで演技を始めました。ケリー・ラッセル、イライジャ・ウッド、レオナルド・ディカプリオがトレーニングを行ったロサンゼルスの有名なヤング・アクターズ・スペースに入学し、1989年の『ポリス・アカデミー6』で映画デビューを果たした。 その後も順調に仕事をこなし、16歳の時にはオレンジ郡の北西部からロサンゼルスに移り住み、友人と一緒にアパートで暮らしていました。ローリング・ストーン誌は報じた。

ある週末、バンクーバーにあるホテルにラニエールは団体の主要メンバーを派遣した。クレア・ブロンフマンと、その姉のサラはシーグラム社の莫大な財産の相続人であり、ラニエールの資金源であった。また団体の共同創始者ザルツマンの娘のローレンも来ていた。

なぜなら当時23歳のアリソン・マックが、最近グループに加わった共演者のクリスティン・クルックにより連れられてきたからだ。

DOSという女性信者により形成されるグループのトップとして、KR / AM というイニシャルを信者たちの身体に焼印する行為がアリソンにより組織された。サラが「誓い」と呼ばれる焼印を受け、この行為の異様さに気づいたマーク、またオーストラリア出身の俳優ボニー(スター・ウォーズ・エピソード3:シスの復讐でルークの育て親役で出演)が内部告発をする。

ネクセウムの活動はアメリカ地方検察を動かすまでの大事に及び、現在も関係者が裁判所に出頭する事態を招いている。この一大スペクタクルをまとめたドキュメンタリーシリーズは必見だ。

https://www.hollywoodreporter.com/features/how-smallvilles-allison-mack-went-actress-sex-cult-slaver-1112107

https://www.theguardian.com/us-news/2020/oct/10/clare-bronfman-nxivm-keith-raniere

伊藤ゆうと

イベ ント部門担当。平成5年生まれ。趣味はバスケ(閉館した)”藤沢オデヲン座”で「恋愛小説家」を見たのを契機に 映画を観始める。Podcastを作りながら国際関係・政治などジャーナリズムの勉強中。


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