ポン・ジュノ監督が2019年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。韓国人監督としては初の快挙となる。ポン・ジュノ監督は世界の映画好きに、韓国映画にもっと注目してもらいたいと考えているようだが、折しも韓国映像資料院(KOFA)のYoutube公式チャンネルで、200以上の韓国映画が無料で公開された。公開作品の多くはリストア版だという。(1)

 作品の種類も様々だ。1984年製作の官能ドラマ『Between The Knees(邦題:膝と膝の間)』(現在KOFAのチャンネルで最多の再生回数1000万を記録している)などから、韓国映画界の巨匠イム・グォンテクの『Seopyeonje(邦題:風の丘を越えて)』などがある。イム・グォンテク監督は2002年製作の『酔画仙』でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞するなどして、韓国映画の国際的地位を大きく高めることに貢献した監督だ。ホン・サンスのデビュー作『The day a pig fell into a well(邦題:豚が井戸に落ちた日)』も同チャンネル上で視聴できる。(1)(2)(3)

韓国映像資料院の紹介映像

 冒頭でポン・ジュノ監督がパルムドールを受賞したと書いたが、2019年は韓国映画100周年を迎える年でもある。最初の韓国映画と目されるのはキム・ドサン監督による『The Rightous Rvenge』(1919年製作)だ。ちなみに最初のトーキー映画は1935年製作、イ・ミョンウ監督の『Chunhuang Jeon(邦題:春香伝)』だという。(4)

 あいにく、両作品とも今回の公開リストには名前が見当たらないが、KOFAのチャンネルでは1930年代のものから年代順に再生リストが作られているため、それぞれの時代の映画をある程度チェックすることはできそうだ。

 公開作品は基本的に韓国語音声、英語字幕となる。一部作品(ユ・ヒョンモク監督の『誤発弾』など)には日本語字幕も付されている。今後ますます注目を集めるであろう韓国映画、この機会に是非ともチェックしてはいかがだろうか。

韓国映像資料院Youtube公式チャンネル:

https://www.youtube.com/user/KoreanFilm/featured

(参照ページ)

(1)https://www.indiewire.com/2019/06/korean-film-archive-youtube-200-movies-streaming-free-1202147293/
(2)https://www.slashfilm.com/classic-korean-movies-streaming-youtube/

(3)https://www.theguardian.com/film/2019/jun/03/streaming-korean-film-archive-youtube-bong-joon-ho?fbclid=IwAR0A9OrayAXBS5QMpOulQYEMVHiat3YIPFk4B02zN_ZuBR2_tdwsD7OSF8g

(4)https://hapskorea.com/brief-history-korean-cinema-part-one-south-korea-era/

貳方勝太 (にのかたしょうた)迷える社会人。大学在学時は映画の制作に耽るなどして徒らに過ごし、現在は重度のヘヴィ・メタル好きが高じて作曲に手を出す。好きな監督はハル・ハートリーやマルコ・ベロッキオなどなど。文化に触れる時間を確保するのが日々の課題。


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