新文芸坐シネマテークVol.14 街と劇場とのあいだに
  ~マティアス・ピニェイロとシェイクスピアの女たち~
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女優たちに読み上げられるたび、テキストは生命を持ちます。
声は感情を持ち、私たちの想像をかき立てながら、確かにそこにあるものとして街へとあふれ出していく。
テキストの余白からこぼれだしたそれは、たくさんの女優たちの間を吹き抜け、私たちの街へと、そして私たちの足取りの一つ一つへと増幅されながらそのままつながっていきます。
世界的に興隆が伝えられるアルゼンチン映画の俊英マティアス・ピニェイロの2作品を見ることで、私たちはシェイクスピアの言葉が放つ華やかな魅力、その世界の楽しさ、そしてそればかりではなく、私たちが住む世界が本当に持つ豊かな輝きについて味わい学ぶことが出来るのではないでしょうか。
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【特別レイトショー/1本立て】共催:Indie Tokyo 協力:碓井千鶴、アテネ・フランセ文化センター、Happy Tent
新文芸坐シネマテークVol.14 街と劇場とのあいだに
  ~マティアス・ピニェイロとシェイクスピアの女たち~
【特別料金】一般1500円、学生1400円、前売・シニア・友の会1300円
3/17(金)フランスの王女(2014/67分/BD)監督:マティアス・ピニェイロ
     開場19:30 開映19:45(講義終了22:00頃)
4/7(金)ビオラ(2012/63分/BD)監督:マティアス・ピニェイロ
     開場19:30 開映19:45(講義終了22:00頃)
※各日、映画終了後に映画批評家・大寺眞輔さんの講義(60分程度)がございます
※当日は整理番号順でのご入場となります
※整理番号付き前売券は2/24(金)当館窓口のみにて発売
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マティアス・ピニェイロ
Matias Pineiro
1982年、ブエノスアイレス生まれ。 国立映画大学で映画を学び、後に同校で映画史と映画制作の講義も行う。『盗まれた男』(2007)でチョンジュ国際映画祭グランプリ受賞、その後の作品は ベルリン、ロカルノ等の国際映画祭でも上映されている。
初めてアルゼンチン以外でも撮影をしたシェイクスピア翻案シリーズ第4弾『Hermia & Helena』 (2016)はロカルノ国際映画祭を皮切りに世界中で上映され、日本では2017年初夏に上映が予定されている。
2014年には、傑出した若い才能に対して与えられるリンカーン・センターのMartin E. Segalアワードを受賞。
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『フランスの王女』The Princess of France 2014
2014 (67分) Blu-ray上映 [日本語・英語字幕付き] メキシコからブエノスアイレスに戻ってきたビクトルは、昔の劇団仲間に「恋の骨折り損」のラジオ演劇の話を持ちかける。ビクトルのことを知り過ぎている5人の女たちとの稽古は、次第に “失われた恋に骨を折る”ものへとなっていく。流麗な室内楽のようなシェイクスピアシリーズ第三弾。2014年ロカルノ国際映画祭コンペティションに選出された。
脚本:マティアス・ピニェイロ
撮影:フェルナンド・ロケット
出演:フリアン・ラルキエル・テジャリーニ、アグスティーナ・ムニョス
ビオラ Viola 
2012(63分)Blu-ray上映 [日本語字幕付き] 脚本:マティアス・ピニェイロ 撮影:フェルナンド・ロケット
出演:マリア・ビジャール、アグスティーナ・ムニョス、エリサ・カリカホ
ピニェイロ作品の常連マリア・ビジャールが、主人公ビオラを演じる。ボーイフレンドとはじめたビジネスのためにブエノスアイレスの街を自転車で走り回るビオラと、シェイクスピア作「十二夜」の演劇にとりくむ女性たち。彼女たちとの出会いが、ビオラの生活にある変化をもたらす。その独自の映像スタイルが際立つ。