第6回 新文芸座シネマテーク
愛の闘い/ジャック・ドワイヨン

Doillon_裏Doillon_表v3ジャック・ドワイヨン作品がはじめて日本に紹介されたのは、1975年の『小さな赤いビー玉』(77年公開)である。しかし、ウェルメイドな反ナチスもの商業映画として公開されたこの作品ではなく、まだ日本未公開だった『ラ・ピラート』という作品によって彼の名は早くから映画ファンに知られていた。女性同士の同性愛カップルを中心に据え、精神的・身体的に極限まで人間同士の生の愛情に肉薄するかのようなこの異様な傑作には、ドワイヨン全てのフィルモグラフィに通底する主題が描かれていたと言うべきだろう。おだやかな愛、激しい愛、暴力的な愛、死へと向かう愛、様々な愛がそこでは描かれてきた。それらは全て愛の映画であり、愛の闘いの映画であり、現実の愛がそうであるように、一つたりとも同じものは存在していない。ドワイヨンの愛の映画は、常に私たちを脅かし、心の底から驚かせ続けるのだ。

6593799-le-mariage-a-trois-le-dejeuner-rate-de-jacques-doillon10/9(金)
19:15開場 19:30開映 講義終了22:20(予定)
三人の結婚
Le mariage a trois (2010)

2009・仏/100分/日本語字幕付きDVD)+講義

[監][脚]ジャック・ドワイヨン
[製]パウロ・ブランコ
[音]フィリップ・サルド
[撮]カロリーヌ・シャンプティエ
[出]パスカル・グレゴリー、ジュリー・ドパルデュー、ルイ・ガレル、アガト・ボニゼール

劇作家の自宅に、彼の新作の出演俳優たちがやってくる。作家の前妻とその新しい愛人、作家の若いアシスタントが一同に会してしまい、さまざまな感情が交錯し、ドタバタと気まぐれに満ちた一日となる。

un-enfant-de-toi (1)10/16(金)
19:00開場 19:15開映 講義終了22:30予定
アナタの子供
Un enfant de toi

(2012・仏/136分/日本語字幕付きDCP)+講義

[監][脚]ジャック・ドワイヨン
[撮]レナート・ベルタ、ロラン・シャレ
[出]ルー・ドワイヨン、サミュエル・ベンシェトリ、マリック・ジディ、オルガ・ミシュタン

7歳の娘リナと暮らすアヤは、歯科医の恋人ヴィクトールがいるにも関わらず、3年前に別れた前夫でリナの父親のルイと時々会っている。今は若い恋人ガエルとつきあっているルイは、アヤがヴィクトールとの子供を作りたがっていると聞き、嫉妬を隠せない。一方、アヤがルイと会っていることを知ったヴィクトールも心中穏やかでない。

【ご入場料金】一般1300円、前売・友の会1100円
(券記載の整理番号順でご入場いただきます)
※整理番号付き前売券は9/15(火)より当館窓口にて販売
共催:Indie Tokyo 協力:アンスティチュフランセ日本、ユニフランス
IndieTokyo_logo_20150405IF-LOGOTYPE-JPFR-JAPON