花咲く乙女たちのキンピラゴボウ


 

こんにちは。イベント部担当のゆりあです。「ハタチ」という年齢を過ごせるのも、もうあと少しになりました。早歩きの限界に挑戦した末にもつれた右足がぴちゃんと雨水を跳ね「PINK HOUSE」のジャンパースカートを汚してしまったように、二十歳だって守ることができないものらしいということに気づいたのは、深夜のコンビニアルバイト店員であるKさんが、雪見だいふくのような白い肌にツインテールがよく似合うKさんが、店長とふたりきりで誕生日を迎えているのを見た時でした。

わたしより一つ年下の彼女は、在庫のストックを補充しながら誕生日を祝った店長に、照れくさそうに「ありがとうございます〜」と仰って、そのあとレジにブラックサンダーを持っていったわたしに「ありがとうございま〜す。32円になりま〜す。」と、言ったのでした。

この瞬間、というよりこの空間が、ああハタチじゃなくなることは当たり前のことなのだと、わたしに痛快に理解させてしまったのでした。

二十歳の恋  二十歳の微熱  二十歳の死

(パッと思いついた二十歳の映画『二十歳の恋』フランソワ・トリュフォー、『二十歳の微熱』橋口亮輔、『二十歳の死』アルノー・デプレシャン)

 

19歳の今頃は、吉祥寺バウスシアターで行われていた“ラストバウス”のボランティアをやっていました。
ラストバウス期間中の曖昧模糊とした色味とか、湿度とか、肌に触れる風の感じ、それからクレープの子供っぽい誘惑の香りを覚えています。あのとき知り合った方にお会いする度に戻ってくる、宝物みたいな感覚です。

 

振り返ってみると、大学に入学した頃、運命みたいに必然らしく、ちょっと遅かったのではと笑い合うようにして出会ったかりんと、授業中に爆音映画祭のパンフレットの同じ箇所を指指し、同時に「ナチュラル・ボーン・キラーズ!!」と大声を出したことが、わたしたちのはじまりのような気がします。

やさしくって穏やかな愛に包まれたひとつの映画館のラスト。吉祥寺バウスシアター。誕生日の五月が来るたびに、懐かしく香る思い出。

バウスシアター

 

そんなこんなで、五月のはじまり。うつくしい友人も、同じく歳をとります。わたしにはそれが一層彼女を魅力的にさせる糧のひとつに感じます。

20歳でアイドルになった聖母のような女の子がいつのまにか24歳を迎えていたり、22歳を迎えるライブハウスの女の子は、気づいたら名前を変えて地下アイドルになっていたりするように、とにかく、少年少女大人未満、斜に構えている暇はないみたいです。

高校時代を彩ったバンドが休止だとしても、最後のライブが最高だったのでそれでいいのだ。わたしの血に刻まれているのは、アナーキーなのだ!

・・でも、こんなに二十歳に固執して、こんなにティーンエイジャーを愛して、果たして少女はいつまで少女なのでしょうか。

 

 

IndieTokyoホームパーティーのおしらせ

 

さて、こんなことをぐだぐだと言いましたが、まず最初に来るのは5月10日(日)12:00より、IndieTokyo主催のホームパーティーです。初回ということもあり、当日はどうなることやら全く未知であります。でも、はじまりこそ皆で形をつくれる機会ではないでしょうか。Facebookで参加表明、もしくはメール予約か個人的に言ってくだされば、予約特典として「ドリンク」とその他「オリジナルグッズ」を差し上げますので、こちらの方がお得です。ご参加お待ちしております。

今回ゲストでお呼びした鍵和田啓介さんとも、バウスシアターでお知り合いになりました。「POPEYE」や「BRUTUS」など東京どまんなかのメジャー媒体でフリーライターとして活躍している鍵和田さんは、大雑把に紹介すると、とても面白い方です。話が面白くて、洋服はお洒落で、頭もキレる。とくに、ラブコメ映画にたいしての視点や切り口は、聞いていて夢中になってしまいます。

当日は、そんな鍵和田さんからの希望で「neoneo」編集委員の荻野亮さんをさらにゲストとしてお迎えさせていただきます。個人的にも沢山利用している「neoneo web」(http://webneo.org/)は、日本で唯一のドキュメンタリー媒体であり、この異なる媒体で映画に触れる二人の対談。なかなか聞くことができないし、いったいどんな交わり方をするのか、とても楽しみです。

イベントではその他、学生映画の紹介や、IndieTokyo第一回配給作品の紹介(予告編上映)など、さまざまなコンテンツを用意してあります。

終わったあとは 映画観に行ったりお話しをしたり、日曜日の昼間から楽しみましょう。

□□ IndieTokyoホームパーティー詳細⇒http://indietokyo.com/?page_id=1050

 

イベントまで一週間をきりました。シネマヴェーラでのルビッチ特集に通い始めたり(大学の研究課題でもあります)、イメフォフェスのボランティアをして美味しいお弁当を食べたり、ポール・シャリッツにピカピカしたり、イタリア映画祭オルミの新作『緑はよみがえる』を観たりしていますが、常に課題に待ち伏せされているGOLDEN WEEK・・。(映画の話をしていないと思ってむりやり詰め込みました)

花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」というタイトルは、橋本治さんの「少女漫画」についての「ひょうろん集」の名前です。ドイツ文化会館で観たヴェルナー・シュレーター愚か者の日』(1989)に見た、彼に見つめてほしいがためにウィンナー珈琲を3杯同時に頼み唇を赤い口紅と白い生クリームでびちょびちょにする女の、夢を生きたい“乙女心”。乙女心ってなんだろうって考えていたときに、橋本治を思い出して、今ちょうど読んでいるのでタイトル名にしてしまいました。少女漫画評論の傑作です。

 

 

では、今回も長文になってしまったこと、お赦しください。
5月10日、ホームパーティーでお会いする方は、どうぞよろしくお願い致します。
色々な話を聞きたいです。それでは、失礼致します。ゆりあ。

 

 

尾形ゆり愛
イベント・上映部門担当。日本大学芸術学部映画学科理論専攻。「花の24年組」少女漫画と60’sカルチャーを偏愛する。忘れ物と落とし物が多く転びがち。五月とチューリップと青色とアイドルがすき。