『PARKS パークス から、あるものをあるとすることの大きさ小ささ』



 

 

2017年5月に、開園100周年を迎える井の頭恩賜公園。公園もそうだ、歳をとるのだと思うわけですが、なんだか孫がいっぱいのおじいちゃん、みたいな。多くの人が利用して、寄り添って、未だに愛されている公園には、物語が似合うものです。

そんな公園を舞台とした映画『PARKS パークス』が4/22より公開となりました。それはこんな映画で。

 

主人公のジュンは、何をやっても中途半端になりがちな大学生。そんなジュンのもとに突然、高校生のハルが現れます。ハルはどうやら父親の昔の写真に写る恋人をたどり、ジュンの住むアパートへ来たみたい。
そうして、ジュンとハルは父親の昔の恋人を探すうちに、地元の青年トキオと知り合います。そこでトキオの家で見つかったオープンリール。そこで流れる音楽は、ハルのお父さんとその恋人の思い出の曲。でも、途中から聴けなくなっていました…

 

だったらその続きを作ろうよ!
3人で曲作りをしていくうちに、曲を作る楽しさに触れ、出来あがっていきます。でも、それは一体誰のための音楽?興味から生まれるものはいくつもあるでしょう。でも作るからには聴いてもらう人がいるはず。

 

ジュンは大学で、論文を教授になぜやらなかったのかと聞かれた時、文字を頭の中ではずっと考えてあったと言うのですが、果たしてそれは”ある”と言えるのでしょうか?

 

”音楽”というきっかけで、”ある”はずのものを”ある”ものにする一歩を踏み出したジュンだけれども、物事を最後までするということがどれほどに大変なことか。踏み出した後にその一歩一歩を踏み出していけるかでその人の道は開いていきます。

道があるから歩くのではなく、歩くから道が出来る。ものを作る時はきっとそう。

 

諦めはいつでもやってきます。だから、出来ないことへの言い訳も、出来た時の言い訳も、ジュンのその選ぶ言葉言葉には、伝える先に人がいないように感じるのです。
”ある”はずのものを、ここに”ある”よ!と伝える。何かを作り上げた時、それが大切だと思うのです。

 

そのことにジュンも気づき始めます。だからその気持ちは、観客の私にも伝わりました。だから私もその事に気付けたと思います。

 

完成させるという一歩。その一歩は大きくてとても小さい。踏み出したからにはどこに踏み出すべきなのか考えさせられる、背筋をぴんとさせられる、そんな小さくて大きな物語。

 

映画『PARKS パークス』公式HP

http://www.parks100.jp

テアトル新宿にて絶賛上映中!

 

 

住本尚子 イベント部門担当。 広島出身、多摩美術大学版画科卒業、映画館スタッフとして勤務、映画と美術の懐の深さで生きています。映像制作、イラスト制作、もがき生み出し、育て中