「第8回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」レビュー第15弾!『森の奥深くで』


『森の奥深くで』

 「狂った親とその子供」といえば、『悪魔の棲む家』や『フレイルティー 妄執』などの映画が思い浮かぶ。前者は殺人鬼の怨念に取り憑かれた父親が家族に襲いかかり、後者は正義の神の啓示を受けた父親が“悪魔”とみなした住民たちを殺害していくのを息子に手伝わせる。わかりやすい。

 でもこの『森の奥深くで』は、主人公兄弟の父親が抱える妄執がどのようなものなのかは、クラマックスで本人の口から語られはするけれど、観てるこっちは最後まで良く分からない。それがダメってことなのではなく、彼にも「良く分かってない」というのがとても面白い。本当は妄執なんかは、本人の頭の中にしか存在しないわけだから、言葉で説明可能なものなんかじゃないんだと思う。だから映画のラストで、生き延びた息子も、何が起こったのかは分かっていつつも、それを兄に伝えようがない。だから面白い。

 スカーレット・ヨハンソン主演の『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』や、ジェフ・ニコルズ監督作品などがお好きな方にはハマる映画だと思う。
ちなみに僕も、去年作った短編映画『SUBTERRANEAN WORLD』で、「地底人妄想に囚われた母親に付き合わされる女子高生」というのをやりました。機会があれば観てみてください。

『森の奥深くで』
Dans la Forêt(103 分、フランス)
監督:ジル・マルシャン
主演:ジェレミー・エルカイム、ティモテ・ヴォム・ドルプ、テオ・ヴァン・ドゥ・ヴォルド

【執筆者紹介】
大畑 創
映画美学校修了。2009年『大拳銃』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭と第31回ぴあフィルムフェスティバルにて審査員特別賞をW受賞。その後、『怪談新耳袋 百物語』でデビュー。2012年、『へんげ』が第16回ファンタジア映画祭にて特別賞を受賞。2014年は『稲川怪談 かたりべ』を監督、2015年には『ABC・オブ・デス2』『リアル鬼ごっこライジング』『鬼談百景』などのオムニバスに参加。2016年『EVIL IDOL SONG』を監督。2017年は、「HKT48×48人の映画監督たち」に参加し『SUBTERRANEAN WORLD』を監督。

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【第8回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル】
開催期間 :2018年1月19日(金)~2月19日(月)
料金   :長編映画-有料(各配信サイトの規定により異なる)、短編映画(60分以下)-無料
配信サイト:青山シアター、アップリンク・クラウド、VIDEOMARKET、ビデックスJP、DIGITAL SCREEN
短編のみ :GYAO!、ぷれシネ
長編のみ :iTunes、Google Play、Microsoft Store、Amazon Instant Video、Pantaflix
※配信サイトにより配信作品や配信期間が異ります。
公式サイト:www.myfrenchfilmfestival.com