
来年の8月で事件後50年を迎えるマンソン事件、その前の月にソニー・ピクチャーズより、
クエンティン・タランティーノの9作目の新作“Once Upon a Time in Hollywood.”が公開される。
その中でマーゴット・ロビーは、マンソンファミリーによって殺害されたシャロン・テートを演じる予定で、
8月6日の月曜日に彼女のInstagramで公開された一枚の写真は1960年代のハリウッドを彷彿とさせる。
ロマン・ポランスキーの妻としても知られたシャロン・テートは1969年に自宅でマンソンファミリーによって
殺害された。ポランスキーとの写真は数多くあるが、今回披露された写真は、カンヌ国際映画祭の写真だ。
黒い長袖タートルネック、白いスカートに革靴の姿はシャロン・テートのアイコンとしてよく知られている。
今年3月にDeadline誌はロビーがこの役のオファーを受けたことを報じ、4月にはIndieWire誌のインタビューで
ロビーはオファーを受けたことが確認された。「タランティーノは仕事をしたい監督リストの1人、私はずっと彼の大ファンだった。」[*1]と彼女は同誌のインタビューに伝えた。
事件の首謀者チャールズ・マンソンは1972年に終身刑を言い渡され、
昨年11月にカリフォルニア州ベーカーズフィールドの獄中で83歳で亡くなった。
テートを含む5名を殺害した実行犯の3人の女性はマンソン・ガールズと呼ばれ、現在も服役中だ。
毎年8月になるとアメリカの各メディアはマンソンに関する記事を公開して事件の追憶を欠かさない。
本日WN投稿日の8月9日は奇しくもその当日だ。
NewYorker誌が早くも8月1日にエッセイを公開した。[*2]
昨年惜しくも亡くなった、カーリーン・フェイスは服役中のマンソン・ガールズを研究し続けた。
フェイスはラディカル・フェミニストの犯罪学者として良く知られている。
彼女の言葉を借りれば3人は「予想外にもかわいらしく、隙の多い女性」[*3]と評されている。
ここで紹介したいシャロン・テートの写真がある。
プレイボーイのフォトグラファー、テリー・オニールによってテートが殺害される直前に撮られた。
無残にもマンソン・ガールズは妊娠8ヶ月のテートの子供の命まで奪ったのだ。
キャストはマーゴット・ロビーの他に、ティモシー・オリファント、ルーク・ペリー、ダミアン・ルイス ダコタ・ファニング、
アル・パチーノ、エミール・ハーシュ、クリフトン・コリンズ・Jr、ティム・ロス、マイケル・マドセン、
キース・ジェファーソン、ニコラス・ハモンドなど、タランティーノ映画の常連から新顔まで発表されている。[*4]
Deadline誌によると、ダミアン・ルイスはスティーブ・マックィーンを、
アル・パチーノはMarvin Shwarzというディカプリオのエージェントを演じるとされている。
中でも注目を浴びているのがレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット2大スターの競演だ。
「ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード以来の一大スターの競演になるだろう」
とソニー・ピクチャーズは4月のCinemaConプレゼンで語った。
ディカプリオは西部劇のテレビシリーズで人気を博したスターのRick Dalton、
ブラッド・ピットはスタントマンのCliff Boothというキャラクターを演じている。
6月27日にはディカプリオのInstagramで2ショットが公開された。
2月のワールドニュース[*5]で映画の内容について取り上げたが、新しい情報は4月のCinemaConでも発表されなかった。
映画については「極秘で内々に進めている」とタランティーノは話し、さらに以下の様に付け加えた。
この脚本を作るのに5年をかけている、人生の大半はロサンジェルスに住んでいる1969年に事件が起きた7歳の時もそうだった
今はもう存在しないハリウッドとLAの物語を伝えられることにとても興奮している。
もちろん、ディカプリオとブラピのリックとクリフのタッグについても幸せこの上ない。
ディカプリオはCinemaConの会場で次のように応えた。
まだ撮影していない映画について話すのは難しいけど、僕も驚くほど興奮しているよ。
ブラッド・ピットとの競演、、彼は僕たちを連れてってくれるよ。
僕はハリウッドが描かれているから『雨に唄えば』が好きなんだ。ロサンゼルスっ子として、
これはすごい傑作のひとつだと脚本を読んで思った。素晴らしい作品になるように最善を尽くすよ。[*6]
著作家、シャロンテートの妹として知られるデブラ・テートがタランティーノに招かれたという記事がIndieWire誌に報じられた。
彼女は本作に殺人事件が組み込まれることに反対に名乗りを挙げていたが、話し合いの後は公開に前向きになったと報じられている。[*7]
映画はみなさんが思うような、タランティーノがマンソンの名前を使う時に期待されるようなものではありません。
彼は脚本を読ませながら、構想を説明してくれました。私は姉の遺構を守らなければいけない、搾取されないように確かめる義務がある。
私は正直な気持ちで、クエンティンは私の言ったことを共有していると言えます。彼の映画を応援することを誇りに思います。[*8]
当初は事件後50年の8月9日に公開が予定されていたが、ソニー・ピクチャーズにより
公開が2週間前倒しにされたのは、遺族らに対する配慮があったと思われる。
企画当初からワインスタインに対する#Metoo運動などで難航を示していたが、
現在は着々と撮影が進められているようだ。今後の発表を楽しみに待ちたい。
*1
https://variety.com/2018/film/news/margot-robbie-sharon-tate-once-upon-a-time-in-hollywood-first-look-1202896029/
*2
https://www.newyorker.com/culture/cultural-comment/keeping-faith-with-the-manson-women
*3
https://hey-woman.com/en/2017/past-perfect-sharon-tate/
*4
http://indietokyo.com/?p=7511
*6
https://twitter.com/debra_tate9/status/1025495598114336768

伊藤ゆうと
イベ ント部門担当。平成5年生まれ。趣味はバスケ、自転車。(残念ながら閉館した)”藤沢
オデヲン座”で「恋愛小説家」を見たのを契機に 以後は貪るように映画を観る。脚本と執筆の
勉強中。
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