IndieTokyo第2回配給作品
『若き詩人』 Un Jeune Poète (2014)
監督:ダミアン・マニヴェル
主演:レミ・タファネル
(併映:『犬を連れた女』 La dame au chien)
テン年代の『大人は判ってくれない』! 半ズボンのジャック・タチ!
2015年のフランス映画界でささやかな奇跡が起きた。
無名の若き映画監督・主演男優、予算もなく、シナリオもなく、わずか10日間の撮影期間でDIYのように作られた71分の作品。ところが、その新鮮なユーモアと親しみやすさ、さりげない中に確かに感じられる映画的質の高さ、現在の私たちの世界を真摯に見据えた切実さ、こうした全てが観客に強くアピールし、何もない中から生み出されたこの小品は、瞬く間にフランス全国20館でロードショウされるまで大きく成長したのだ。
ダミアンとレミの監督主演コンビは、まるで『大人は判ってくれない』のトリュフォーとレオーのようであり、『若き詩人』の成功がデジタル時代の新たなヌーヴェル・ヴァーグへとつながることを私たちに予感させる。また、その飄々としたユーモアは、草食系男子によるジャック・タチといったフレッシュな楽しみも与えてくれるだろう。
『やさしい人』の映画監督ギヨーム・ブラックは次のように言う。
「ダミアン・マニヴェルを知り、我々は確信する。極めて独特でありながら一貫する世界を持ち、最小限の条件の中でも素晴らしい作品を創り上げる作家がここにいるのだと。」
フランス映画の新たな時代が、『若き詩人』と共に始まろうとしている。
かもよ?
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