リチャード・リンクレイター監督作品の「ビフォア」シリーズは世界中に多くのファンを持つ人気三部作だ。主演のイーサン・ホークとジュリー・デルピーは実際9年経つごとに、物語の中で9歳年をとったキャラクターを演じるという、同じリンクレイター作品の『6歳の僕が大人になるまで』(2014)に似た方法で撮影された作品だ。
1作目の『ビフォー・サンライズ』(1995)では20代前半だった若いカップルの青春が描かれ、2作目の『ビフォー・サンセット』(2004)では30代となった彼らが描かれた。そして続く3作目の『ビフォア・ミッドナイト』(2013)では、中年となったカップルが終盤に口論するのを我々は目撃した。ジェリーとセリーヌはその後幸せに暮らしているのか?それとも彼らの関係は終わって行くのか?作品のエンディングでは穏やかな和解の兆しが示されたが、観客全員を安心させるようなものではなかった。
ビフォア・シリーズは9年の間隔をあけて撮影されている。最新作である『ビフォア・ミッドナイト』が撮影されたのが2013年である、としたら2022年にまたジェシーとセリーヌに会えるのか?と期待するファンは多い。その期待に対して三部作で主演のジュリーを演じるイーサン・ホークは新作インタビューの場でわからない、としながら彼のアイディアを教えてくれた。
「2作目の撮影の後に3作目が作られるという確信があった。一作目の最後のシーンの最後に中年夫婦が口論しているのだが、3作目で遂に僕たちがそういう人物になってしまったんだよ。もし続きがあるとしたら、違った形の夫婦にならなくてはならない。ただ、いつも映画の公開から五年経ったら考えるようにしているんだ。だから、『ビフォア・ミッドナイト』から5年経ったらまた考えるよ。」
果たして続編があるのかないのか、無いのか。ホークの回答は依然として曖昧である。しかし、イーサンがこの映画にまだ凄く感心があるということ、この夫婦の将来について考えるのを止めることができない、ということが確かに見ることができる。
「最初に演じた25歳の時から41歳までこのキャラクターを演じ続けているからね。どういったて、自分の生涯とこの登場人物を重ねないわけにはいかないよ」と彼は語る。
「『ビフォア・ミッドナイト』の終盤にて、ジェシーとセリーヌの口論をを苦しく感じた人は多いだろう。喧嘩をしている人をみると人々は争っていると思う。だけど、実際に僕の人生を見返して見て、最も心が痛くなるような部分、傷だらけにされた部分においうて、何かを学んだってことに気づくんだ。映画の終盤ではもちろん夫婦は喧嘩しているが、少なくとも彼らは嘘の人生を生きて無い。彼らの関係は簡単じゃ無い、それは確かだけど、映画の中にはたくさんの愛をみることができるよ。」
『ビフォア・ミッドナイト』から数年、俳優としてのめざましい活躍の陰で、彼は『ビフォア』シリーズを思い続け、世界中のファンと同じように続編の制作を心待ちにしているのだ。
【参考】
http://ew.com/movies/2017/08/05/ethan-hawke-before-midnight-sequel/

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奥村耕平
WorldNews部門。大阪の大学生。服と映画が好きです。
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