パリのル・グラン・レックスで『Walk with me マインドフルネスの教え』の試写会が行われた。ル・グラン・レックスは『バットマン』または『ジュラシック・パーク』シリーズの最新作などの試写会に使われている劇場である。『Walk with me マインドフルネスの教え』は、この2700席を有する巨大なシアターで、2000人の観客に公開された。その中の150人以上の若者はレピュブリック広場から一緒に来場した。レピュブリック広場では、禅師との瞑想が行われ、それから「歩く瞑想」をして映画館へ向かった。

『Walk with me マインドフルネスの教え』は、フランス南西部のリブルヌ近郊のドルドーニュにあるマインドフルネス実践センター「プラム・ヴィラージュ」での日常生活を描いている。「プラム・ヴィラージュ」にはあらゆる国籍を有する150人以上の修道士が暮らし、毎年4000人近くを受け入れている。

この穏やかで自然に満ちた場所は、ベトナムの禅師であるティク・ナット・ハンによって設立された。彼はベトナム戦争に対して政治的な活動をしたため、1996年に亡命を余儀なくされた。 マーティン・ルーサー・キングはノーベル平和賞に彼の名前を挙げていた。私たちは彼の顔を見るだけで、奥深く無限の善良さを感じられる。

1週間という予定で撮影が開始されたこのドキュメンタリーは、最終的に3年間にわたって撮影された。このドキュメンタリーには筋も物語もない。監督のマーク・フランシスとマックス・ピューはひとたび「プラム・ヴィラージュ」に到着すると、計画通りには進まないと理解した。何も計画されておらず不変性が確立されていない人生に適応するために、彼らは計画を手放さなければならなかった。現時点に戻ることは、ティク・ナット・ハンによって教えられた実践の本質である。

マックス・ピューとマーク・フランシスは修道院と親密になり、単調だが安心できる彼らの日常生活に同行するために多くの時間を費やした。その結果、この瞑想的で感動的なドキュメンタリーが生まれた。歩くこと、自然、歌、そして商店や携帯電話から離れたコミュニティーの生活は感情を取り戻すための特別な空間を形作っている。

ここで苦しみはそれ自体を表現する権利を持っている。苦しみは同時に歓迎されている。苦しみは睡蓮に変わる泥になぞらえられる。さらに、喜びは表情や身振りとして映画全体に行き渡る。本物のシンプルへの90分の誘いはこれらの揺らぎのある時間に共鳴しているのである。

参考:
http://www.lefigaro.fr/cinema/2018/05/04/03002-20180504ARTFIG00259-le-documentaire-voyage-en-pleine-conscience-ou-la-puissance-du-moment-present.php
http://www.allocine.fr/video/player_gen_cmedia=19577984&cfilm=250266.html
http://walkwithmefilm.com

兒玉奈々
World News担当。映画に出てくる女優さん、ダンスシーン、音楽が大好きです。


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