[553]ウディ・アレン新作について


近頃ウディ・アレンの周辺は比較的ざわついている。というのも大部分はワインスタインの件と関連してであるのだが、その中でアメリカにて今年の末に公開予定の”Wonder Wheel”に引き続き2018年に公開予定の新作”A Rainy Day in New York”に関しての情報が新たに公開された。そこで今記事においてはワインスタインの件との関連に触れつつ、新作”A Rainy Day in New York”についても監督自身のコメントも引用しつつ紹介したい。

そもそもアレンに対して非難の声が上がっているのは自身が過去にセクハラ疑惑を告発されているから、ということがあるのだが、ひとまずワインスタインに関するBBCへのコメントを抜粋する。

「今まで誰も深刻に、このような恐ろしい話を私に聞かせに来たことはなかった。」
「そして彼女らはそうしなかったのだろう、なぜなら僕はそんなことには興味がないからだ。僕は自身の映画を作ることにしか興味がないんだ。」
「しかし確かにいつも想像力に富む噂は耳にしていたね。そしてそのいくつかは真実であると判明したし、また他の多くはその女優の、その俳優のただの創作でしかなかった。」
「ワインスタインに関するすべてのことは、あらゆる関係者にとってとても悲しいことだよ。」
「関係する哀れむべき女性にしても悲劇だし、人生がぐちゃぐちゃになってワインスタインも悲しいだろう。」
「そこには誰も勝者はいない。そんなことを経験しなければならない哀れむべき女性にとって、非常に悲しい悲劇だよ。」(#1)

そしてこのコメントに非難が寄せられた後、アレンはVarietyへのコメントで以下のように追記した。

「僕がワインスタインに対して悲しいと思ったと言った時は、その意味が明白だと思ったからだよ、彼は悲しい、病んだ人間だし。」
「違ったふうに解釈されてとても驚いたよ。そこにどんな曖昧さも残さないように、このコメントによって僕の意図や気持ちを明らかにしておくよ。」(#2)

そのような状況の中で新作”A Rainy Day in New York”に関する情報がPage Sixにおいて公開された。そこで紹介されている制作台本によると、アレンの新作には中年の男と若い女性の性的関係が描かれるというのだ。

「現在ニューヨークにおいて撮影中の作品のプロットはその他の女優の中でも飛び抜けて若い女性と寝ている中年の男を中心に据えており、またスクリプトによると彼は“あらゆる野心的な若手女優やモデルに対して恥をかいている”のだという。」
「ちょうど撮影されたばかりのシーンでは、レベッカ・ホール演じる人物がジュード・ロウ演じる、15歳の”愛人”と寝ている44歳の俳優を糾弾している。そのシーンではエル・ファニング(実際は19歳)演じるいわゆる愛人は、はるかに年上のロウ演じる人物との関係を認めているのだが、しかし自分は21歳であると抗議している。彼の不貞に関する言い合いの後、ファニング演じる人物はロウに尋ねる。『これらの女性全ては快楽のためだったの?それともあなたは何かの計画でも追求しているの?』」(#3)

実際にエル・ファニング演じる人物が15歳なのか21歳なのかは明白ではないのだが、やはり渦中のアレンに対する非難をまた呼んでしまうこととなっていた。そして先日公開されたINQUIRER.NETによるインタビューにおいて特にアレンはそのような新作の内容に関した詳細には触れず、主に映画製作の喜びに関してコメントしている。

「映画製作における喜びは人それぞれだよ。大衆に公開することがスリルな人もいるし、お金に関することの人もいるし、芸術的達成に喜びを感じる人もいる。ただ僕は(映画製作における)プロセスを楽しんでいるよ。」
「僕はお金に関しては全く気にしていない、全くね。たいていの場合、僕は全ての報酬をより良いシーンを撮り直すために用いるんだ。僕は年中何かのためでもなく働いてきた、もちろん報酬でもなくてね。僕は賞であったり他人がどう言うかであったりも気にしないんだよ。」
「僕は12歳の頃、アカデミー賞に参加し、賞を勝ち取ってきらめく男性や美しい女性に囲まれるのが夢だった。」
「しかし大人になって、喜びは仕事それ自体の中にしかないとわかったよ。」
「もし映画が成功しても、別に僕が若くなったり健康になったりするわけでもない。だから仕事それ自体が重要なんだ。もしそれ以外の理由において仕事をしようとするのなら間違いを犯し続けているだろうね。」
「今週、僕は新作を撮り終えたところなんだけど、だから僕はもう”Wonder Wheel”には興味がないんだ。もし人々がそれを気に入ったとしたら嬉しいんだけど、もしそうでなくても僕は気にしないね。それがどう転ぼうとも僕の人生は変わらないんだ。」(#4)

そして記者にワインスタインの件について尋ねられ、以下のように語った。
「あなたは全てにおいて確証のない話を聞いているだろうが、僕は全く聞いたことがない。(中略)そんな話は次から次へと通り抜けていくし、その過半数は真実ではない。『おおそれは驚いたね!』と言って仕事に戻るだけだよ。」(#4)

#1
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-41626750

#2
http://variety.com/2017/film/news/woody-allen-harvey-weinstein-1202590319/
#3
https://pagesix.com/2017/10/21/woody-allens-new-movie-couldnt-have-worse-timing/?utm_campaign=SocialFlow&utm_source=NYPTwitter&utm_medium=SocialFlow&sr_share=twitter

#4
http://entertainment.inquirer.net/247230/woody-allen-reveals-he-only-gets-35-allowance-every-2-weeks-part-2

嵐大樹
World News担当。東京大学文学部言語文化学科フランス文学専修3年。好きな映画はロメール、ユスターシュ、最近だと濱口竜介など。いつも眠そう、やる気がなさそうとよく言われます。


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