[492]中東最大の映画祭「ファジル国際映画祭」


「ファジル国際映画祭」をご存知だろうか。「ファジル」とは「夜明け・黎明」を意味し、1982年に始まったこの映画祭は今年で35回目を迎え、イランのテヘランにて毎年4月、イラン・イスラム革命の勝利記念週間(今年は4月21日から28日)に開催される中東随一の映画祭だ。
 黎明期より映画祭の規模が増大した結果、2015年からは毎年2月に主に国内映画を対象とした「ファジル映画祭」が、4月には国内映画を扱いつつ主に海外の映画を対象とした「ファジル国際映画祭」が開催されている。日本での認知度は低いが毎年多くの映画ファンがこの時を楽しみにし、期間中上映開場周辺は熱気に包まれる。
 今年はイランを代表する映画監督アッバス・キアロスタミが昨年迎去したことを受けて映画祭はキアロスタミ作品の上映や追悼イベントを設け、イベントにはスペインのビクトル・エリセ監督など著名な映画関係者が登場するなど会場を驚かせた。

 筆者は幸運にも会場を訪れることができたのだが、たった今観た作品に出演していた俳優が会場の外のカフェでコーヒーを飲んでいて、私を見るなり「日本人か?黒沢は最高だ!」と話しかけてくれたりフレンドリーで開かれた雰囲気の国際映画祭を堪能することができた。
 ヨーロッパを始めとする世界各国から多数の関係者が参加し、日本からは黒澤明作品などへの出演で有名な女優の原田美枝子が審査員として登場したほか、キアロスタミの日本での制作スタッフらが参加した。
コンペティション部門では数ある作品の中からイラン映画の”The Home”が受賞した。日本からコンペティション部門への出品こそはなかったのもの、黒沢清監督の『クリーピー』や園子温監督の『ひそひそ星』、黒沢明監督の『乱』など多数が特別上映として披露されて会場を盛り上げた。

映画祭の詳細や受賞結果などは公式ホームページで確認できる。

 

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奥村耕平 WorldNews部門。大阪の大学生。服と映画が好きです。アッバス・キアロスタミを中心にイランの映画について研究しながら東京の映画視聴環境に日々嫉妬中…。


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