北京国際映画祭が4月23日に、北京市内で閉幕した。本映画祭のラインナップが発表され、日本映画は30本以上の作品が上映された。「焦点人物」部門で選ばれた是枝監督のデビュー作「幻の光」や特別上映の黒澤明「どん底」を除きすべて2000年以降の作品がラインナップされた。
 ラインナップは中国国内、海外の作品を合わせて500作品に及んだ。今年は香港を基盤に活動する張艾嘉(シルヴィア チャン)監督、米国のデヴィッド リンチ監督、イタリアのミケランジェロ アントニオーニ監督の3人にスポットを当てた特別上映が行われた。
授賞式ではモニカ・ベルッチやチャン・イーモウ監督が登壇するなど、豪華な顔ぶれが揃った。最優秀監督賞はグルジア、ロシア、クロアチア、スペイン合作の「House of Others」のRusudan Glurjidze監督が受賞した。

 去る3月に高高度防衛ミサイル(THAAD)が韓国国内に配備された。非公式ではあるが、中国側は報復として経済活動の規制をロッテなどの大企業向けにし、国民による韓国製品の不買運動も行われている。昨夏、アメリカ第8軍(在韓米軍)のトーマス・ベンダル司令官と、韓国国防省のリュ・ジェスン国防政策室長が7月8日に共同会見で配備決定を公式発表した頃より、こういった制裁は行われていた。文化活動についても徹底的な措置が行われている。K-POPアーティストのテレビ出演がなくなり、ライブも開催されていない。

 事実、2016年度は韓国映画の上映権獲得はあれど、上映こそ行われていない。
中国当局からの直接の指示があったとして、本映画祭における韓国作品の上映停止勧告が行われた。もとより厳しい検閲によって映画の表現が脅かされている中国だか、政治情勢によってこうした露骨な介入が行われてよいものか。北京国際映画祭は、果たして”映画祭”と呼べるのか疑問を呈したい。

★参考URL★
http://chinafilminsider.com/korean-movies-face-beijing…/
http://chinafilminsider.com/chinese-korean-co-pro-halted…/
http://www.scmp.com/…/man-mission-raise-quality-chinese…
http://economictimes.indiatimes.com/…/arti…/57511352.cms


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