台北の國父記念館で本日、台湾金馬奨の授賞式が行われる。
プレゼンターにはリディアン・ボーンやグイ・ルンメイが登場する予定です。
今回は作品賞にノミネートしている5作品を紹介します。

 

①『一路順風』[Taiwan]チョン・モンホン監督

godspeed
モンホン監督と『Mr.Boo』でおなじみ香港の喜劇王マイケル・ホイがタッグを組んだ本作、
主演のホイは主演男優賞にノミネートしており、作品賞とのダブル受賞もあります。
TIFFで上映をしているので、日本上映があるかもしれません。
http://2016.tiff-jp.net/news/ja/?p=39860
http://www.tiff.net/films/godspeed

②『樹大招風』[HongKong]ラム・カートン、リッチー・レン、ジョーダン・チャン出演/ジョニー・トー製作

 

%e6%a8%b9%e5%a4%a7%e6%8b%9b%e9%a2%a8

香港映画のジャンルとして認知が進んでいる裏社会モノです。

今作は香港・台湾のベテラン俳優による共演が豪華で、物語のほとんどはフィクションでありながら、香港に実在した3人の犯罪者を描いた今作は、悪党を題材に社会批判をしていることで評価を受けているようです。前作『香港、華麗なるオフィス・ライフ』で大企業主義を哀愁たっぷりに描いたジョニー・トーが製作を務めています。
https://moonlightknighthk.wordpress.com/…/review-trivisa/

 

③『我不是潘金蓮』[China]フォン・シャオガン監督

i-am-not-madame-bovary

同名の原作小説は『ボヴァリー夫人』の中国版で、王宮時代の歌になっているパン・ジンリャンという女性が題名になっている。
監督のフォン・シャオガンは『カンフーハッスル』に出演していた。冒頭、妻を捕まえた警察に殴り込む組長の役で、多くの人が知っているはずだ。昨年は『ロクさん』で最優秀主演男優賞に輝いたが、今作では再び監督業に戻った。
本作はすでに第64回サン・セバスティアン国際映画祭で、ファン・ビンビンと共に、作品賞・女優賞をダブル受賞をしている。
http://www.tiff.net/films/i-am-not-madame-bovary
http://www.hollywoodreporter.com/…/i-am-not-madame…

④『マンダレーへの道』[Taiwan]ミディ・ジー監督

theroadtomandalay
同監督のドキュメンタリー作品『翡翠之城』が作曲部門でノミネートしており、
最優秀台湾映画人賞には監督が単独でノミネートしている。
侯孝賢の激励を受けて脚本の執筆に取り掛かったという話もあるが、
今年の審査員には侯孝賢がいないので、やや劣勢にあると思われる。
IndieTokyoでは3回に及ぶ記事を書いたので、
詳しい作品紹介や、裏話などはそちらを参考にしていただきたい。

 

⑤『八月』[China]

the-summer-is-gone

こちらは作品の情報が少ないので簡単に紹介をさせていただくが、
昨年の金馬奨作品賞にノミネートした『タルロ』Pema Tseden監督がプロデュースをしている。
本作も同じくモノクロ作品で、ある一家を通して中国政治への批判がそこはかとなく描かれているそうだ。

http://variety.com/…/the-summer-is-gone-tokyo-film…/
http://www.hollywoodreporter.com/…/summer-is-gone-ba…

例年に比べて今年のノミネートは、社会問題を扱った作品に絞られている。
審査員長をアン・ホイ監督が務めていることからもその点は重要視されているように感じられるが、
どの作品も優れているように思えて、まったく優劣はつけられない。
そのなかでも、近年アジア圏を取り巻いている緊張感に対して、
鬼気迫るものを感じさせるのは『マンダレーへの道』ではないかと思う。

本日行われる授賞式で全てが明らかになる。

 

伊藤ゆうと

イベ ント部門担当。小さなラジオ局で働く平成5年生まれ。趣味はバスケ、自転車。(残念ながら閉館した)藤沢オデヲン座で「恋愛小説家」を見たのを契機に 以後は貪るように映画を観る。脚本と執筆の勉強中。


コメントを残す