[432]「マンダレーへの道」日本上陸! 〜時々、My Egg Boyの話〜


台湾映画といえば、エドワード・ヤンやホウ・シャオシェンを代表とする台湾ニューウェイブの世代がまず思い浮かぶ。
中でも、ホウ・シャオシェン「悲情城市」がベネチア国際映画祭で最高賞を獲得したことは当時ショッキングであったと、
「台湾新電影時代」でも語られていた。
そして20年の時を経て、新たにアジアを代表する若手の映画監督が誕生しようとしている。
ミディ・ジー「マンダレーへの道」がベネチア、トロント、釜山など各国の映画祭で絶賛されている。
前回の記事では紹介できなかったが、この度、11月に東京で開催されるフィルメックス2016でプレミア上映が決定した!

本作はウー・クーシーとカイ・コーが主演をしている。
クーシーはジーの作品ではお馴染みの女優で、2作目の”窮人。榴槤。麻藥。偷渡客”からのタッグだ。2014年には「海の上の宮殿」(15分のショートフィルム)で既に、ミャンマーからの移民を、演じていたこともあり、キャスティングされることは予想の範囲内であった。
一方、カイ・コーは、ギデンス・コー「あの頃、君を追いかけた」で主役を演じて、
2014年には再びギデンス・コーの作品に出演していたが、
その後は、ジェイシー・チェン(父はジャッキー・チェン)と大麻所持の疑いで一緒に逮捕をされたりと、
やんちゃが過ぎて身を潜めていた感がある。本作のように深刻な状況にある難民を演じるとは誰しも思っていなかった。

金馬賞作品賞にノミネートされている5つの作品が軒並み中堅やベテランの俳優を起用しているが、
本作は、若い男女二人の演技がとても高く評価されているようだ。
詳しくは前回の記事「The Road To Mandalay」-移民問題で揺れる世界へ-」を参考していただきたいが、今作は、役者がその土地に慣れることや、撮影の準備に1年を要したという。

また、2000年代,台湾青春映画出身のリディアン・ヴォーンも頑張っている。
「My Egg Boy[洋題]」は釜山国際映画祭に出品されており、「イタズラな恋愛白書」で金鐘賞を受賞して飛ぶ鳥を落とす勢いのアリエル・リンと共演した。
本作は卵子の冷凍保存を題材に、アリエル演じるオフィスレディが恋に悩んで、出産ばかりでなく、相手選びまでも先送りにしてしまうコメディだ。
ヴォーンは、ちょっと一癖あるけれど、ハンサムで優しいシェフ役を演じている。
『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』で、アレンが演じたような精子(卵子)の格好をした人たちが今作では出てくる。
それが、台湾ニューウェーブの一人であるウー・ニンツェンや女優のルゥルゥ・チェンだから驚いた。
時にシリアスな演技が見られると思えば、一点コメディも見られる台湾映画の今後が気になって仕方がない。

前回の記事を書き終えた際に、日本で見られたらと切に願っていたのが通じたようで、とても嬉しい。

◆参考◆
http://variety.com/・・・/the-road-to-mandalay-review・・・/ [マンダレーへの道]

http://www.reelasian.com/festival-events/my-egg-boy/ [My Egg Boy]

http://www.goldenhorse.org.tw/awards/nw/・・・ [金馬賞ノミネート作品]

http://filmex.net/2016/program/competition/fc04 [東京フィルメックス2016]

 

伊藤ゆうと

イベ ント部門担当。小さなラジオ局で働く平成5年生まれ。趣味はバスケ、自転車。(残念ながら閉館した)藤沢オデヲン座で「恋愛小説家」を見たのを契機に 以後は貪るように映画を観る。脚本と執筆の勉強中。


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