[392]MoMAでアイラ・サックスの回顧展


『人生は小説よりも奇なり』でおなじみの映画監督、アイラ・サックスの回顧展がニューヨーク近代美術館(MoMA)で開かれる予定だ。MoMAは、アメリカ映画界に大きな影響を及ぼしたニューヨークの「典型的な作家」として彼を取り上げる。この回顧展は、「Thank You for Being Honest : The File of Ira Sachs」と名付けられ、7月22日〜8月3日の期間中、彼の実験的短編映画から最新作『Little Men』までを含む7本の長編作品と5本の短編作品すべてが上映される予定だ。
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『Little Men』

 実験映画、社会的コメディ、自伝的ドラマ…。MoMAは、彼があらゆるジャンルを手がけ、人間関係、愛、性差、性同一性、家族生活、社会問題、ニューヨークのライフスタイルをテーマに、人間の日常の苦闘を繊細な表現で描くことを評価している。この回顧展は、サンダンス映画祭に出展した作品で始まり、終わるようプログラムされている。幕開けは2005年のサンダンス映画祭でグランプリを獲得した『Forty Shades of Blue』。本作は、メンフィスで有名なミュージシャンの中年男と、彼のガールフレンドのロシア人女性、彼の継息子の3人の間の複雑な人間関係を描いた作品である。そして閉幕は今年サンダンス映画祭で公開されたばかりの『Little Men』だ。回顧展のタイトルのきっかけとなった作品である。二つの家族の間でビジネス上の衝突が起こり、大親友のその息子たちの関係が変わってしまう様子を微細に描いた作品。本作は8月3日に回顧展で上映予定。8月5日から映画館で上映が始まる予定だ。

 マーティン・スコセッシ、スパイク・リーに次ぐニューヨークの典型的な映画監督として評価されているアイラ・サックスの回顧展に、期待は高まるばかりだ。

 サンダンス映画祭はクエンティン・タランティーノやジム・ジャームッシュらを有名にした、インディペンデント映画のいわば登竜門のような映画祭であるが、残念なことにそこでグランプリを獲得した『Forty Shades of Blue』は日本で未公開である。ニューヨークで期待も評価も高いアイラ・サックス。現代社会を反映したテーマは非常に興味深く、注目に値する。日本ではまだなじみの薄いが、これを期に日本でも公開されることを期待したい。

http://www.indiewire.com/2016/06/ira-sachs-moma-retrospective-1201699292/

http://www.moma.org/calendar/film/1661?locale=ja

原山果歩 World News部門担当。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程所属。マイブームはガーリー映画。


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