[119]映画作家にとって映画祭とは?


10月26日、東京はデジタルハリウッド大学において、東京国際映画祭の連携企画として、フィルム・ワークショップが開かれた。このワークショップでは、「シノプシス(あらすじ)コンテスト」が行われ、日本の映画作家、作田勇人が最優秀賞を獲得した。彼は、藤澤浩和監督の『砂を掴んで立ち上がれ』(2012)の脚本を務めている。今回は、「Virgin Mafia」という、どうにもヤクザになりきれないヤクザについての話だ。最優秀賞の賞品として、ハリウッド5日間の旅が贈られた。彼はこの5日間の旅で、たくさんのハリウッドの映画関係者と会うことになる。

 また、もうひとりEriko Kyoso の「Exchange Mothers」は、2人の母親が人生に本当に求めることを探すために生活を交換するというもので、President’s Special Recognition Prize を受賞した。この賞の受賞をきっかけに、Kyosoは、12月にオーストラリアのブリスベンで行われるasia pacific screen awardsに参加し、また太平洋アジアから集まった映画作家たちとの会合にも出席するとのことだ。この二人は、どちらも映画祭がきっかけで世界に出ていくことができたのである。

 「MPA(日本国際映画著作権協会)は、アジアの映画監督や映画人をつなぐための、重要な役割を担っています。そしてMPAは、今この会に参加している輝かしい才能をもつような映画監督個人個人に投資をしているわけではなくて、もっと国際的に開かれた、世界の映画産業の未来に対する投資なんだと思っています。」と、アカデミー賞受賞歴のあるプロデューサーで、今回このコンテストの審査員を務めたデヴィッド・パットナム氏は語っている。

 映画祭やそれに付随するような国際的なイベントは、特に映画製作に携わる人にとっては、なかなか出会うことのない、国を越えた映画作家同士の出会いの場として、大きな意味をもつのだろう。今日取り上げたのは比較的小さなコンテストではあるが、ここで海外の人と出会い、さらに日本から出るきっかけを与えて、出会いがどんどん波及していくような、縮こまっていた個人個人のネットワークが開いていくことでいろんなものが生まれて一人ではできない色んなことが可能になっていくような、インディペンデント的に必要な仕組みだと私は思う。

則定彩香
横浜国立大

参考
http://variety.com/2014/film/news/tokyo-festival-david-puttnam-and-mpaas-chris-dodd-pick-winners-in-digital-university-1201340022/

http://www.jimca.co.jp/workshop/

関連:大寺眞輔「World News#117 海外映画人と会おう」
https://www.facebook.com/inside.indietokyo?fref=photo#


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