9月4日からの開催が目前に迫っている第39回トロント国際映画祭(TIFF)で、「チケットの売り過ぎ」という異例の事態が一部の観客を困惑させている(#1)。
予定数を超えて販売されたのは、5日のワールドプレミアを控えたビル・マーレイ主演の『St.Vincent』(2013)と、犯罪ドラマである『The Drop』(2013)の2作品。
運営側は事故の原因をコンピューターシステムの不具合としており、TIFF副会長のジェニファー・ビルは、「不運にも、今年度のTIFFのチケットの注文処理を行っている間にコンピューターエラーが発生した。Princess of Wales theatre(上映会場)の収容人数の上限に達した後、システムは販売を中止することが出来なかった。その結果、これらの上映が予定数より多く売られてしまった。」と今回の経緯を説明している(#2)。
既にチケットの購入者には連絡がなされ、別の映画の座席が提供されているそうだ(または払い戻しを希望することも出来る)。しかし、『St.Vincent』の場合は2回の上映の内、初回のチケットのみがプレミアム上映に指定されていることもあり、主演ビル・マーレイのファンたちは落胆の色を隠せないことだろう。
その『St.Vincent』でビル・マーレイが演じるのは、大酒のみでギャンブル好きの生活難にある定年退職者。人間嫌いの彼が、隣に住む12歳の少年との生活を通じて次第に友情を育んでいくというこのコメディ作品(#3)は、今年のTIFFで最も期待されている作品の一つである。
TIFFでは9月5日をビル・マーレイの日と宣言しており、『ストライプス』や日本でもお馴染みの『ゴーストバスターズ』など多数の出演作品を上映予定だ。
騒動を経てビル・マーレイの演技に一層注目が集まることを期待しつつ、国内でも『ゴーストバスターズ』30周年を記念して再上映の動きがあることを見逃さないようにしておきたいところである(#4)。
西山晴菜
(早稲田大学文化構想学部)
参照
#1
http://www.indiewire.com/…/bill-murray-fans-bumming-out-ove…
#2
http://www.thestar.com/…/tiff_overbooks_for_two_world_premi…
#3
http://www.tiff.net/…/specialpresent…/st-vincent-de-van-nuys
#4
http://www.tohotheater.jp/…/back-in-cinema201409ghostbuster…


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