スコセッシ監督の『シャッター・アイランド』がTVシリーズになります。
いまアメリカでは、芸術家が作った映画作品と同様に、彼らの作るテレビ番組が敬意を持って扱われており、テレビの大スタジオではそうした作品の価値を熱心に保とうとしています。例えばコーエン兄弟の『ファーゴ』がリメイクではなく、その財産を生かしテレビでリブートされました。そして、新たな評価を持つ観客を見つけて大衆を手にしました。競争は始まっています。中でも、パラマウント社は力を入れて動いています。
既に幾つかの作品が映画からテレビへと進出していますが、次はスコセッシ監督の『シャッター・アイランド』がHBOでの放送に向けて動き出しています。この企画はどうやらパラマウント社のアミー・パウエルによるもので、すでに多くの人に声がかかっており、映画『シャッター・アイランド』のプロデューサーたちや、原作者のデニス・レハーンにまでそれは及び、監督は同様にマーティン・スコセッシが担当します。こうした関係は、『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』や、まだタイトルの決まってない次の作品である70年代のロックンロールを扱ったドラマを含んだ、彼のこれまでのネットワークから続くものです。
『シャッター・アイランド』の精神病院名から『アシェクライフ』(仮)と名付けられたこのパイロット版は、映画の設定より前の部分に焦点が当たります。精神病棟の過去、設立者が犯した秘密の悪行や精神病に対するメソッドを如何に開発していったというようなことが描かれます。
いわゆる過去の“成功者”たちを集めて、成功した作品の設定を利用することは、過去の遺産を発掘するようなことでもあり、膨大な蓄積を組み直すことで新たなストーリーを生みだす試みとも言えます。ただしこうした状況を含め、作品の価値を決めるのは常に我々観客です。如何に、前の作品が面白くてもそれと、次に出来あがるものは別のものです。またこのような動きは、新たな才能を見出すリスクを排するがゆえの結果だ、ということも心に置いておかねばなりません。
三浦 翔
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