[291] 『Profession: Documentarist』〜女性ドキュメンタリー映画監督として生きる


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「私たちには、空想の世界でのみ語られるストーリーがある。時々、互いに語り合うけど、大声で語られることは決してないストーリー」 映画『Profession: Documentarist』で、ドキュメンタリー映画監督であるFarahnazはこうつぶやく。 7人のイラン人女性ドキュメンタリー監督が映画監督として、女性として、そしてイラン人としてのアイデンティティを問う作品『Profession: Documentarist』は、International Documentary Film Festival Amsterdam, Jihlava International Documentary Film Festivalなど国際的な映画祭で今年、注目を集めている。 今まで語られることのなかった、7人の女性ドキュメンタリー映画監督による告白は、あくまでも私的でありながら、イラン社会がイスラム革命(1979年)以降辿ってきた物語を語っているようでもある。それは、彼女たちがドキュメンタリー映画監督という職業を選んだゆえに曖昧になっているプライベートとパブリックの境目を浮き彫りにさせる。 彼女たちはフィクションとノンフィクションの間を常に揺れ動く「映画」という媒体を通して、今まで語ることが禁じられてきた「自分」について告白する。

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「一見穏やかに見えるテヘランの日常に潜む、静かな戦い」について語るShirin
「厳しい検閲と共に生きる」ことと向き合うFirouzeh
「革命以降、女性が一人で歌うことが禁止された」が、そのため音楽が消えた日常を映し出すFarahnaz
「イランでの生活に見切りをつけ、国外移住を選択する多くの友人の背中」を眺めるMina
「イスラム革命がその成功を収めた日に、叔母を亡くした」 ことで如何に革命後の人生が悲しみで満ちているかを告白はするSepideh
「刑務所の窓から眺める景色」について語るSahar
「不自由な生活」にも関わらず将来に対しての希望を語るNahid

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彼女たちの密かな告白は、イスラム革命前に国民的人気を集めて、革命後にイラン国外に移住してからもなお愛され続けている女性歌手Googooshの歌声、今となってはイラン国内では公に聞くことのできない女性の歌声、と共に語られる。 

参考リンク:

http://www.tessmag.com/2015/02/02/profession-documentarist-of-women-and-filmmakers-in-iran/

http://www.imdb.com/title/tt3798904/

https://www.idfa.nl/industry/tags/project.aspx?id=8b40a3f2-b25e-4444-92cb-e271a6f42bd6

https://sheffdocfest.com/films/5725

 

Sevin 中東地域の現代アートに詳しい。東京フィルメックスにボランティア及び運営スタッフとして2011年から関わる。国際社会における映画および現代アートの影響力に関心がある。facebookページ「アートな中東」を運営。


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