75-2 デトロイト出身の若き天才ルーク・ジェイデンを知っているだろうか。19歳にして俳優、監督、プロデューサー、脚本家として活動している映画人であるが、その彼が新たに映画制作会社を立ち上げたとして話題を呼んでいる。ルークは、普通のティーンエイジャーとは大きく異なる生活を送っていることに対して、彼の4作目の映画、『King Ripple』(2015)の撮影を終えたのち、「10代で映画製作に関わること、オーソン・ウェルズになりきることはばかげている。ある程度、自分の進むべき道に沿う必要があると思う。僕はその道からはずれてこの業界に行き着いたんだ。」と語っている。異質な生活を送っていることを奇妙に感じながらも、幼い頃から俳優として映画に関わっていくなかで、カメラの前よりもカメラの後ろに興味が惹かれ、現在監督やプロデューサーとして映画を作っていることを誇りに思っていると自ら記事にしている。 http://www.indiewire.com/article/what-its-like-to-be-a-teenage-filmmaker-20150205  今回ルークは、同じく若手のコート・ジョンズ、フィル・ワーツルらとともに新たにエデン・ロード・ピクチャーズという映画制作会社を立ち上げた。前向きな気持ちになれるようなメッセージ性があり、なおかつ率直で独創的なストーリーを伝えたいという期待が込められている。エデン・ロード・ピクチャーズの最初のプロジェクトは、『The Wolf Who Cried Boy』という短編映画を成功させることである。ルークとコート・ジョンズが共同で脚本、監督を手がけている。みすぼらしい鉄スクラップ工場で働く若い男(Torrey Wigfield)の物語だ。この映画には、『キャプテン・フィリップス』で俳優デビューを果たし、同映画でアカデミー賞にノミネートされたバーカッド・アブディも起用されている。  ルークはインタビューで、エデン・ロードの役目について、「僕たちは、観客が率直さのパワーがものすごいんだということに気づけるような、それでいて僕ら全員が自信を持って発信できるような物語を作りたい。意味のない暴力や性欲に頼るのではなく、オリジナルに忠実であり続けることが、僕ら全員の指針である」と語っている。  ワーツルは「エデン・ロードは、映画を発信していくなかで、その主義を貫こうとする姿勢が評価され、賞賛されるだろう。革新的で教訓的な物語を、才能あふれる人材とともに作り上げていくことに関して言えば、エデン・ロードが妥協することはないだろう」と付け加えた。  『The Wolf Who Cried Boy』のほかにも、エデン・ロードはいくつかのプロジェクトを進めている。そのなかには、ニューヨーク・タイムズに載ったベストセラー作家、テッド・デッカーの小説を原作にした『Hacker』やウィリアム・ポール・ヤングの『Cosmos at the Crossroads』も含まれており、注目が高まっている。 http://www.indiewire.com/article/19-year-old-luke-jaden-sawicki-helps-launch-eden-road-pictures-20151002

原山果歩 World News部門担当。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程所属。ウディ・アレンとウィキッドとチーズと緑色。マイブームはガーリー映画。


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