[281]学生アカデミー賞 ハンブルクの映画作家へ

LAで開催された学生アカデミー賞、外国語映画部門の大賞が、ハンブルクの映画作家であるイーカー・チャタクに贈られた。
外国語映画部門の最終候補3作品はいずれもドイツ人作家によるものだった。
チャタクはハンブルク・メディア・スクールの学生で、まだ31歳だ。
1972年に始まった学生オスカーは若手作家たちにとって、今後のキャリアに最重要な賞だ。
今回最終候補に3名ドイツ人が残ったのは非常に稀有なことだ。
トルコ語のタイトルは”Sadakat”である受賞作は、ハンブルク・メディア・スクールの卒業制作だ。これは2014年にイスタンブールのタクシム広場付近で、政治的情勢不安のなかで危険を顧みずに撮られた。
受賞作のタイトルはを意味する„Fidelity“ 、ドイツ語タイトルは”Treue oder Ehrlichkeitだ。
この物語の主人公は若い女医である。デモ隊と警察の間の路上の決戦のさなかで、彼女が政治活動家として自発的なアクションを起こし保護を求めた時、家族までもが警察に拘束されるという話だ。(*1)
作品のテーマは、「自己決定」という普遍的なものだ。(*2)
チャタクはベルリン生まれ。12歳の時にイスタンブールに移住し、高校卒業のあと、ドイツに戻った。
はじめはベルリン、次にハンブルクで映画技術を学び、CM製作で生計を立てている。
彼にとってのアイドルは、同じトルコ系のルーツを持つファティ・アキンとのこと。(*1)
(*1)フランクフルター・アルゲマイネ誌
(*2)mopo.deab,5067148,31594542.html

藤原理子
World News 部門担当。上智大学外国語学部ドイツ語学科4年、研究分野はクリストフ・シュリンゲンズィーフのインスタレーションなどドイツのメディア・アート。上智大学ヨーロッパ研究所「映像ゼミナール2014」企画運営。ファスビンダーの『マルタ』のような結婚生活をおくることを日々夢見ております。


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