75 2012年公開のノア・バームバック監督、グレタ・ガーウィグ主演映画『フランシス・ハ』が大ヒットしたことは記憶に新しい。不器用な主人公フランシス(グレタ・ガーウィグ)の生き方をみて、自分もがんばろうと思った人も少なくないだろう。学校をすでに卒業したが、きちんと職に就いていない宙ぶらりんな女性の不安感を見事に描いた作品であった。そして、『フランシス・ハ』の虜になった人も、まだバームバッグ作品を見ていない人も必見、どこか憎めないフランシスというキャラクターを生み出したこのコンビの新作『Mistress America』が今月14日、アメリカで公開された。

以下、『Mistress America』の作品批評について述べられた記事を紹介したい。

 『フランシス・ハ』のバームバックとガーウィグコンビが再びスクリーンに登場。『フランシス・ハ』と同様、今作『Mistress America』もバ二人が共同で脚本を手がけている。女性の友情を『フランシス・ハ』以上に大きく取り扱った作品だ。『Mistress America』は、スクリューボール・コメディ(1930年代から1940年代にアメリカで流行した、風変わりな男女がいがみ合いながら恋に落ちていくストーリーの映画ジャンル)の女性の友情版ともいわれている。ガーウィグ自身「わたしたち(ガーウィグとバームバッグ)はスクリューボール・コメディをたくさん観たわ。ハワード・ホークス、ジョージ・キューカー、エルンスト・ルビッチ…。」と語っている。今回ガーウィグが演じるのはやり手のニューヨークのソーシャライト、ブルック。大都会ニューヨークになじめない大学一年生トレイシー(ローラ・カーク)は大胆で冒険好きなブルックに連れ添ううちに変わっていく…。ガール・ミーツ・ガール。ニューヨークの街で二人の女性が出会って何かが起こる。『フランシス・ハ』とはまた違ったおもしろさがあるようだ。

 バームバックは『Mistress America』の前に、ベン・スティラーとナオミ・ワッツ、アダム・ドライバーとアマンダ・セイフライドら豪華キャストを迎え、『While We’re Young』を発表している。この作品は、高く評価する人も多い一方、思ったほどうまくいっていないという評価もある。『Mistress America』の成功で、ガーウィグはバームバッグの真のミューズとなるかもしれない。『ハンナだけど、生きていく!』でも主演を務めている今大活躍のグレタ・ガーウィグ。インディペンデント映画の女王ともいわれる彼女に注目は集まるばかりだ。

http://www.indiewire.com/article/how-noah-baumbach-and-greta-gerwig-turned-mistress-america-into-a-female-friendly-screwball-comedy-20150812
http://waytooindie.com/review/movie/mistress-america/

原山果歩 World News部門担当。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程所属。ウディ・アレンとウィキッドとチーズと緑色。マイブームはガーリー映画。


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