[257] トロント国際映画祭に、コンペティション部門が!


 

アカデミーの前哨戦とも言われるTIFFが、新しいステップを踏んだ。

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今月15日 、トロント国際映画祭に、新しくコンペティション部門が開設され、審査員にはジャ・ジャンクー、クレール・ドゥニ、アニエスカ・ホランドの三人が選ばれたことが発表された。その名も“プラットフォーム”。もちろんこれはジャ・ジャンクー監督の作品のタイトルから取ったものだ。(*1)

いままでトロント国際映画祭は、カンヌやヴェネツイアなどと違い、コンペティションの無い映画祭だった。観客投票による「観客賞」という賞が最高賞であったように、どちらかというと地元の市民向けの映画祭であった。1975年にスタートしてから、どんどんと規模が大きくなり、近年ではヨーロッパの映画が北米での公開を目指すマーケットとしても機能しており、その存在は「映画祭のなかの映画祭」とも言われている。

 

そんな今年40周年を迎えるトロント国際映画祭に、コンペが新設されるというのはビッグニュースである。この“プラットフォーム”は、国際的な監督たちによる高い芸術的価値をもった力強い監督のビジョンを示す12作品から成る部門で、ジャンクー、ドゥニ、ホランドの三人が審査員祭となり、9月20日のセレモニーにて最優秀作品が発表され、25000ドルの賞金が与えられる。(*2)

 

この映画祭のCEOでもあるディレクターのPiers Handlingはこのように述べている。

「この三人と我々はもともと昔からつながりがありました。彼らは個性的で自身のビジョンをもったベテラン監督であると同時に、年間を通して行われるTIFFのプログラムや映画祭で何度も足を運んでくれていたのです。我々は40周年という記念の年に、芸術的な野心を持つ映画監督を支持するプログラムの審査員として、彼らを再び呼ぶことができてとても光栄に思っています。」

 

TIFFのアートディレクターCameron Baileyは、「彼ら三人は、私にとってまさにドリームチームです。“プラットフォーム”はジャ・ジャンクー監督の映画と同じ名前ですが、我々が注目していきたい映画はあの映画のようなインスピレーションを与えてくれる映画です。クレール・ドゥニ監督は、何度もTIFFを訪れていますし、ワークショップなどにも参加してもらったことがあります。我々は彼女の映画と、映画に対する彼女の考えをとても評価しています。アニエスカ・ホランド監督は、これまで何十年も映画を作り続けてきており、彼女はとてもストーリーテリングに対して広いアプローチを持っています。我々が“プラットフォーム”に求めるものは、様々な異文化に渡る、言語、映画文化、そして映画製作に対する姿勢です。そして、作家性のある監督による映画を強調するために作られました。映画祭では、1400席を動員する会場で毎日この部門の作品の上映を行います。」(*3)

 

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この新しい試みは、トロント国際映画祭自体はもちろん、前後に行われるベネチア、釜山、東京などの国際映画祭への影響も大いにあると思われる。今月中にもラインナップが発表される予定だ。

 

*1) http://deadline.com/2015/07/jia-zhang-ke-claire-denis-agnieszka-holland-platform-toronto-1201476197/

*2) http://www.screendaily.com/festivals/toronto/denis-zhangke-holland-to-lead-first-tiff-platform-jury/5090508.article

*3) http://cinemaaxis.com/2015/07/15/tiff-names-jia-zhang-ke-claire-denis-agnieszka-holland-to-inaugural-platform-jury/

松崎舞華 日本大学芸術学部映画学科3年 。猫も好きだけど犬派、肉も好きだけど魚派、海も好きだけど山派。普通自動車免許(AT限定)所持。得意料理: たらこスパゲッティ。趣味: 住宅情報サイト巡り


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