the-dark-horse-toronto-film-festival先日まで行われたシアトル国際映画祭は今年で41回目を迎えました。この映画祭は、シアトルでは頭文字を取って 「SIFF」(シフ)と呼ばれています。SIFFは、例年5月中旬から6月中旬までの約1ヶ月にわたって開催される米国最大の映画祭の1つです。長編、短編、ドキュメンタリー、アニメーションなど約400以上の作品が上映されます。様々なメディアでも大きくとりあげられ、映画ファンのみならず映画製作者や配給会社からも注目を集めています。また本映画祭は、新人監督の育成と発掘にも力をいれており、伝統を受け継ぐだけではなくオリジナルな視点を表現する作品が求められています。新人監督やインディペンデント監督の国際デビューの登竜門とも言われています。また短編部門の最優秀作品はアカデミー賞短編部門の選考にノミネートもされます。過去では、日本人監督作品も上映されました。そして今年の映画祭は史上最多の92ヶ国から出品された、世界初公開作品49本(長編23本・短編26本)、北米初公開作品51本(長編33本・短編18本)、米国初公開作品18本(長編7本・短編11本)を含む450作品が上映されました。また今年の映画祭で受賞した作品が、日曜日発表されました。

James Napier Robertson監督の「The Dark Horse」が作品賞を獲得し、また男優賞として主演のCliff Curtisが選ばれました。また「Me and Earl and the Dying Girl」のアルフォンソ・ゴメス=レホンが監督賞を受賞、「Romeo Is Bleeding」はドキュメンタリー部門を受賞、「Phoenix」に出演したニーナ・ホスは、主演女優賞を獲得しました。

「41回目となるこの映画祭は、物語を語るうえでの素晴らしいお祝い1つでもあります。」とSIFFの芸術監督であるCarl Spenceは述べています。「また今年は92ヶ国から作品が出品され、毎夜チケットが売り切れになる作品もあります。今年の映画祭は今まで以上により大きいものになっています。」とも述べています。そして、SIFFの管理責任者のMary Bacarellaは、「今年の映画祭はあいついで大きなお祝いがありました。Culinary Cinema programやDinner and a Movie’ eventsなどの新しいイベントが次々と始まりました。」と述べています。例えばアジア各国様々作品が楽しめる「アジアン・クロスロード・フェスティバル」日本、中国、香港、韓国、フィリピン、ベトナム、タイ、台湾、ネパール、チベット、インド、パキスタン、バグラデシュ発のドラマやコメディ、時代劇やドキュメンタリー映画などが満喫できるイベントが映画祭で行われました。

これらの作品は今年のSIFFで受賞した作品です。
1. BEST FILM
「The Dark Horse」 directed by James Napier Robertson (New Zealand 2014)
2. BEST DOCUMENTARY
「Romeo is Bleeding」 directed by Jason Zeldes (USA 2015)
3. BEST DIRECTOR
Alfonso Gomez-Rejon 「Me and Earl and the Dying Girl」 (USA 2015)
4. BEST ACTOR
Cliff Curtis「The Dark Horse」 (New Zealand 2014)
5. BEST ACTRESS
Nina Hoss 「Phoenix」 (Germany 2014)
6. BEST SHORT FILM
「Even the Walls」 directed by Sarah Kuck、Saman Maydáni  (USA 2015)

 今年の映画祭では日本から5作品出品されました。このようにアジア各国と関わりも深いシアトル国際映画祭。インディペンデント作品の魅力を多方面にわたって伝えることができると考えられます。

http://variety.com/2015/film/news/the-dark-horse-me-earl-the-dying-girl-among-seattle-international-film-fest-winners-1201514090/

http://www.siff.net/

船津 遥
World News担当。学習院大学文学部フランス語圏文化学科所属。サイレント映画、ウェス・アンダーソンのとりこ。日活映画にもはまっている20代女子。(量産型キラキラ系女子ではありません。)


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