summer-independent-film小学生のころ、夏休みを目前としたホームルームで、たくさんの宿題とお便りとともに映画の割引券が配られた。今年は何を観に行こうかなとラインナップを眺め、観たいものの割引券を丁寧に切り取った。そんな記憶が鮮明だからか、「夏は映画の季節」というイメージが染み付いている。夏を心持ちにしているなか、シネコンとインディペンデント映画の夏について書かれた記事を見つけたので紹介したい。

いよいよ映画の季節、夏が始まる。シネコンでは恐竜やアベンジャーズが派手に映画を盛り上げる一方、主にインディペンデント映画を配給している大手企業の子会社では、性に目覚めるティーンエイジャーを描く『The Diary of a Teenage Girl』 やガンに苦しむ高校生を描く『Me and Earl and the Dying Girl』を公開する。夏は大作映画だけではないことを、インディ・レーベルは証明しようとしている。

自主制作映画の配給に特化するロードサイド・アトラクションズは、今までの夏に、『ウィンターズ・ボーン』、『誰よりも狙われた男』などの配給に成功している。また、ウディ・アレン監督の『ミッドナイト・イン・パリ』や『ブルージャスミン』は、彼の作品のなかで最も興行収入を得た作品と言える。大きな成功をおさめた『6才のボクが大人になるまで』や『ムーンライズ・キングダム』も夏に公開されたものだ。

ソニー・ピクチャーズ・クラシックの創設者、マイケル・バーカーは、1993年からのデータから判断して、映画を公開する時期として夏が最もよいと見ている。彼は今年も、5月から8月にかけて、双極性障害の父親を持つ家族を描く『Infinitely Polar Bear』 や祖母と孫娘の話、『Grandma』を含む8作品を公開する。

今年は多くの人が夏の公開を巡って競い合っている。大手会社にどう対抗するか戦略を練るだけではいけない。劇場のスクリーンを巡って、インディペンデント映画の間でも競争が行われるのだ。供給過剰な原因は、ブロード・グリーン・ピクチャーズやザ・オーチャード、ブリーカー・ストリートなど、ここ一年ほどで進出してきた新興のインディ・レーベルが多いことが挙げられる。これらの会社が映画祭等で活発に映画の買い付けを行い、供給するために派手な広告を出している。

インディ・レーベルにとって、夏はオスカーの時期よりはやりやすいように思えるが、資金を作るのに苦労する時期である。シネコンは活発な宣伝活動や映画の原作の知名度で観客を集めるが、インディ・レーベルでは作品の魅力で決まるところがある。

今後も夏に公開される映画が増えていくとされている。シネコン、インディペンデント映画、どちらも競争が高まっていく様子を見ていきたい。

http://variety.com/2015/film/news/summer-movies-indie-blockbuster-season-1201505036/

原山果歩 World News部門担当。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程所属。ウディ・アレンとウィキッドとチーズと緑色。マイブームはガーリー映画。


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