ブルームバーグによると、Netflixは、作品のビュー数や主要な賞の獲得数に応じて、制作者にボーナスを支払うことを検討しているという。(1)(2)
計画の背景には、ディズニーやアップル、NBCなどがストリーミングサービスに参入することで、競争が激化していくことへの警戒感があるようだ。NetflixのCEOリード・ヘイスティングスは「熾烈な競争になるだろう。消費者はより多くの選択肢を持つことになる」と話している。(3)(4)
従来、ハリウッドのスタジオは興行収入に応じて制作者にボーナスを支払っていたが、Netflixは劇場での公開期間を限定するため、他のスタジオと同じレベルの収入は得られなかった。そのため、制作費を前もって補填するという形を取っていた。(3)
また、Netflixは競争の激化に当たって、作品の制作費が更に高くなっていくことに備えているという。CEOのヘイスティングスは、130万ドルの制作費を投じたNetflixのドラマシリーズ『The Crown』が、いずれはバーゲンセールのように見えるだろうと話している。(4)
今回の計画は、興行収入に基づくボーナスを、プラットフォーム上でのビュー数に置き換えたものと言えそうだ。とはいえ、競争原理の適用場面が映画館からストリーミングに移行していく可能性を考えると、作り手の姿勢に与える影響もまた違ってくるだろう。かつては、テレビの登場に対抗して、大画面における表現を追求していった映画だが、これからは手のひらサイズの画面での表現を追求していくことになるのかもしれない。
(1)https://www.indiewire.com/2019/09/netflix-bonuses-box-office-viewers-awards-1202175318/
貳方勝太 (にのかたしょうた)迷える社会人。大学在学時は映画の制作に耽るなどして徒らに過ごし、現在は重度のヘヴィ・メタル好きが高じて作曲に手を出す。好きな監督はハル・ハートリーやマルコ・ベロッキオなどなど。文化に触れる時間を確保するのが日々の課題。
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