ABC制作「サバイバー: 宿命の大統領」シーズン3が2019年にNetflixで公開されることが告知された。
Variety誌*1によると、今年の5月にABCが続編の制作中止を報じた後、プロデューサーのニール・ベアが
大手ストリーミングでの公開を示唆したという。彼はNetflixでのシーズン3にも参加予定とのこと。

カル・ペンは同作品でホワイトハウス報道官を演じており、最新シリーズの告知の為にあるテレビ局に出演をした。
そのバックヤードで、同じく出演者のマギー・Qとカル・ペンが目にしたのは、自らの名前の横に「アジア人」「インド人」と書かれた香盤表だった。今週木曜日に彼のツイッターで画像が公開された。キーファー・サザーランドやミニー・ドライヴァーの横には特に記載がない。*2

https://twitter.com/kalpenn/status/1075882630015528960

カル・ペン「番組のスタッフは僕やマギーの名前を予習してこなかったみたいだ」
マギー・Q「そのとおり。私達は白人じゃないから、分類される必要があったんだね」

全員が2016年にABCで放送が始まって以来のオリジナルキャストであることを考えると、これが人種差別であることは明らかだ。

カル・ペンは昨年にも同様の告発をしていた。あるオーディションで演じた役柄に「ガンジーのような感じで」と指示書きがあり、
演じたところ「もっと大袈裟にやって」と言われたという。俳優1年目に受けたオーディション台本の写真が彼のツイッターに複数投稿された。*3

2007年に公開された映画”A VERY HAROLD AND KUMAR 3D CHRISTMAS”、カル・ペンはジョン・チョーと共にコメディを演じた。
インタビュアーのケヴィン・マッカーシーは「ハリウッドで演技をする時に、スキルではなく見た目により判断されたことがあるか」
を同作のストーリーになぞらえて二人に質問した。カル・ペンは「誰もが経験することだ」と前置きしつつ、以下のように応えた。*4

 ”ハリウッドで演技を初めたら乗り越えなきゃいけない壁だと思う、もし白人や黒人の男性俳優でなかったらね。特に女性俳優はみんな経験している。
 2週間前にはあるディレクターが僕のマネージャーに『一つのドラマに二人の有色人種は使えないと思う、ごめんね』って伝えたらしい。とても驚いたよ”

彼のこうした発言はアジズ・アンサリ主演ドラマ「MASTER OF NONE」などで描かれており、アメリカのテレビ業界は人種問題について遅れた印象がある。

米ニュージャージー州でインド人移民の両親の間に生まれた彼は、UCLAにて映画学と社会学を専攻した。1999年、低予算映画『Freshmen(原題)』で俳優デビュー。
同年、「バフィ~恋する十字架~」でテレビドラマに初出演を果たした。主な出演作には「Dr. HOUSE」や「ママと恋に落ちるまで」などがある。
選挙キャンペーンに参加した実績によりオバマ前大統領に請われて、2009年から2011年にかけて俳優を休業してホワイトハウスに務めた経験があり、
2012年の選挙戦でも接戦を繰り広げる選挙地で投票を呼びかけるスピーチを行った。こうした彼のバックグラウンドが数々の”政治的発言”に繋がっているのだろう。

参考リンク

*0
https://www.indiewire.com/2018/12/kal-penn-racist-stage-manager-television-upfronts-maggie-q-1202030088/
*1
https://variety.com/2018/tv/news/designated-survivor-netflix-season-3-1202928752/
*2
https://twitter.com/kalpenn/status/1075882630015528960
*3
https://twitter.com/kalpenn/status/841691178902904833
*4
https://www.youtube.com/watch?v=O1BZHb2sZKM

伊藤ゆうと
イベ ント部門担当。平成5年生まれ。趣味はバスケ、自転車。(残念ながら閉館した)”藤沢
オデヲン座”で「恋愛小説家」を見たのを契機に 以後は貪るように映画を観る。脚本と執筆の
勉強中。


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