ブダペストの屠殺場で働く若い女と中年の男、実はこの二人は同じ夢を見ていた。孤独な二人を結びつけたその夢をきっかけに、二人の世界が少しずつ変化していく…。2017年の映画『心と体と』は、1989年のデビュー作『私の20世紀』でカンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したハンガリーのイルディコー・エニェディ監督による、1999年『Simon mágus』以来18年ぶりの長編映画です。以前当サイトのWorld News【[539] 18年間のブランクから始まる『On Body and Soul』】でも紹介しています。

『心と体と』は昨年のベルリンで金熊賞を含む4冠を獲得、さらには今年の米国アカデミー賞外国語映画賞ショートリストに選出されたことでも注目が集まっていますが、そんな中、来日されるエニェディ監督のために『心と体と』日本最速上映、そして映画美学校マスタークラスの実施が決定しました。

ブダペスト演劇映画大学でも教壇に立つエニェディ監督と、現在公開中の映画『勝手にふるえてろ』でも話題の大九明子監督によるこのマスタークラス。講義前に『心と体と』本編の上映もあり、4月の日本公開を前にして一足お先に見られるチャンスでもあります。ベルリン国際映画祭審査委員長のポール・ヴァーホーヴェンに「日常であまりにも忘れがちな“思いやり”を思い出させてくれたこの映画に、審査員みんなが恋をした。」とまで言わしめた『心と体と』。生みの親であるエニェディ監督の生の声を聞けるまたとないこの機会をお見逃しなく!

■ベルリン国際映画祭2017金熊賞受賞作『心と体と』上映+マスタークラス
日時:2018年1月31日(水)
上映:18:00-『心と体と』2017イルディコー・エニェディ監督(116分/日本語字幕)
   ―ベルリン国際映画祭2017金熊賞(最高賞)、国際批評家連盟賞受賞作
講義:20:00−21:30(対談形式)
講師:イルディコー・エニェディ(『心と体と』監督/ハンガリー)
   大九明子(『勝手にふるえてろ』監督)
司会:矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)

※詳細、お問い合わせは以下のURLから
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鈴木里実
映画に対しては貪欲な雑食です。古今東西ジャンルを問わず何でも見たいですが、旧作邦画とアメリカ映画の比重が大きいのは自覚しています。