言われてうれしい言葉がある。それは褒め言葉であったり、
でも、同じ言葉でも、全然うれしくないことだってある。
シナリオ学校に行きながらOLをしている綾と、
綾はシナリオ学校でラジオドラマの脚本に選ばれたものの、
そんな中、言うことを聞いてくれそうな幸子に、
幸子は自分とは正反対の華やかな綾に惹かれ、とても脚本に対して
ある時、二人には共通の知っている男性である、寛人がいることを
ラジオドラマの脚本を書き上げる、という内容も合間ってか、
言葉を発する時の間(ま)からも、
そして、その間を繋ぐみたいに、言葉が発せられている。
幸子にとっては間の多い人生の中に、
そんな二人を見ていると、間だらけの人生で、私たちは、
綾の書いた脚本の中の台詞で、何度も読まれる台詞がある。
欠点でさえ同じになりたい
傷や、痛みや、狂ったところも
あなたの身体に、もし大きな穴があいていたとしたら
私の身体のおなじところに、おなじ大きさの穴をあけたい
この言葉をもし、全く好きではない人からもらったとしたら?
映画内でも言っていたけれど、ちょっと怖い。
好きではない人と、
でも、好きな人から言われたら、嬉しいと思う。
そして、好きな人ならば、
同じ言葉を聞いても、誰に言われたかで、
たとえ同じ人から言われたとしても、
言葉に意味はあるけれど、意味と感情はまた別で、
何だか、宇宙を感じるなぁ。
綾と幸子の織りなすラジオドラマでは、意味だけの言葉に、
彷徨い続ける言葉を、誰かが捕まえて、誰かに届ける。
タイトルにあるように、私たちの生きているこの世界は、
そして、そんな繊細なやり取りを、
急に暑くなった最近の気候に、この繊細で、
『螺旋銀河』の監督でもあります、草野なつか監督作品『王国(
『螺旋銀河』も、8/3(土)の16:00〜
最終日8/4(日)の2回目は、映画上映としては珍しい試み「
住本尚子 イベント部門担当。 広島出身、多摩美術大学版画科卒業、映画館スタッフとして勤務、映画と美術の懐の深さで生きています。映像制作、イラスト制作、もがき生み出し、育て中