第70回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『BPM ビート・パー・ミニット』が3月24日より公開されます。1990年代はじめのパリを舞台に、エイズ発症者やHIV感染者への差別や不当な扱いに対して抗議活動を行う実在の団体「ACT UP Paris」の若者たちの姿を鮮烈に描く本作は、『イースタン・ボーイズ』でヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ賞を受賞したロバン・カンピヨ監督の長編第3作。実際に「ACT UP Paris」のメンバーであったという監督自身の経験を元に、抗議活動やデモ活動が過激に、緊張感溢れるタッチで映し出されます。カンヌ国際映画祭審査員長のペドロ・アルモドバル自ら「素晴らしかった!! 最初から最後まで心を打たれた。」と称賛を送り、世界各国で絶賛されている『BPM ビート・パー・ミニット』。ここでは、来月の公開に先立って行われる上映イベント2つをご紹介します。


◇『BPM ビート・パー・ミニット』
生きるために闘うことの意義をみんなで考えてみよう-未来を切り開く若者トークショー

映画の主人公たちと同世代の若者たちによる、自分の未来のために声を挙げて闘うことの意義を訴える!!

実在する抗議活動を行う団体「ACT UP」の若者たちが実際に社会の変革に挑んだ姿を実話を基にして描いた物語である本作。そんな本作に共感した若者代表として、「未来のための公共」のメンバーである馬場ゆきのさん、「MEIJI ALLY WEEK」を主宰する明治大学の学生・松岡宗嗣さんによるトークショーが開催されます。

【トークイベント概要】
■開催日程:2月25日(日) 上映17:30/トークイベント20:00 (30~45分程度)
■開催場所:ユーロライブ (渋谷区円山町 1-5 KINOHAUS 2F)
■参加申し込み、問い合わせ先:bpm.movie.jp@gmall.com
イベント詳細はこちら
■トークゲスト
馬場ゆきの(20)/ 未来のための公共
2017 年に結成され、国会前抗議などを呼びかけた10代・20代中心のグループ「未来のための公共」で活動。グループの顔として、メディアの取材を受けることも多い。大学では心理学を学んでいる。
「未来のための公共」とは
→元 SEALDs のメンバーが関わって 2017 年 3 月に結成された団体。

松岡宗嗣(23)/ MEIJI ALLY WEEK 代表
明治大学政治経済学部に在籍。20 歳の時にゲイであることを周囲に打ち明け、LGBT 支援者である Ally(アライ)を増やす日本初のキャンペーン「MEIJI ALLY WEEK」を主催。ハフィントンポストや東洋経済等に執筆するなど精力的に活動している。

-------------------------------------

◇特別先行試写会『BPM ビート・パー・ミニット』
※上映後に大寺眞輔によるトークショーあり。

【イベント概要】
■開催日程:2月28日(水)開場18:00 上映18:30
■開催場所:アンスティチュ・フランセ東京(新宿区市谷船河原町15)
■トークゲスト:大寺眞輔
イベント詳細はこちら

「ACT UP Paris」メンバーの行動を中心に描かれる本作には、まるで実際の活動を今まさに目撃しているという感覚に引きずり込まれました。緊張感が続く2時間23分がずしりと迫ってきます。会議を重ね激しい議論を交わしながら実際の行動に出るという彼らのエネルギーがストレートに伝わり、生きることは戦いなのだと思わずにはいられません。迫りくる死に、政府や製薬会社に、それぞれに抗い戦いながら強烈に生きる彼らの目撃者となってください。

『BPM ビート・パー・ミニット』
脚本・監督:ロバン・カンピヨ
出演:ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート、アルノー・ヴァロワ、アデル・エネル
2017年/フランス/フランス語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/143分/R15+
原題:120 battements par minute
英題:BPM (Beats Per Minute)
3月24日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペースほかにて全国ロードショー
公式サイト:http://bpm-movie.jp/


鈴木里実
映画に対しては貪欲な雑食です。古今東西ジャンルを問わず何でも見たいですが、旧作邦画とアメリカ映画の比重が大きいのは自覚しています。